「まだわからん。監督の阿部が緊張しているようじゃ勝てない」坂本勇人に“引退勧告”の巨人OB広岡達朗氏は“最後のTG戦”での意地の決勝打とマジック4のV展望をどう見る?
それでも「巨人はよく守りきった。コロコロと打線や守りを変えるのはいただけないが、やはり最後に勝ち切るのは投手力だ」と評価した。 マジック4の巨人は残り6試合。25、26日の横浜DeNA戦、27日の中日戦に3連勝し、27日に阪神が広島に敗れれば4年ぶりの優勝が決まる。ただ巨人は25日から5連戦で、移動日なしで東京ドーム→マツダ→神宮の日程が組まれていてハードだ。 一方の阪神は残り5試合。全勝して巨人の結果を待つしかない。全勝すれば、巨人が3勝3敗で逆転V。1敗なら巨人が2勝4敗、2敗なら巨人が1勝5敗で逆転Vの可能性がある。数字上は絶望的だが、何が起こるかわからない。 今後の展望について広岡氏は「もう巨人が圧倒的に有利になった。阪神との直接対決がないのならなおさら有利だ。しかし、まだわからん」とコメントに含みを持たせた。 「マジック4になり、もうゴールが見えているように感じるかもしれないが、ここからプレッシャーがかかる。私もヤクルトの監督時代にあと1勝が勝てずに生みの苦しみを味わったことがある。ベンチで映る阿部の姿を見ていると緊張が伝わってきた。指揮官が緊張しているようじゃチームは勝てない。就任1年目で仕方がないのかもしれないが、そういう姿を見ているから、まだわからんぞと、言うのだ」 スポーツ各紙に報道によると、阿部監督は「心臓が飛び出そうだった」と緊張しながら采配をふるっていたことを打ち明けている。 広岡氏は、阪神が残り試合を全勝、あるいは4勝1敗で巨人にプレッシャーをかけるには「佐藤がポイントになる」という。 「佐藤が打たなきゃ阪神の逆転優勝はない。岡田はよく我慢していると思う。こんな大事な試合で平気な顔をしてボール球を振って三振している佐藤を私なら黙っていない。とにかくボール球を振らないこと。そして夏場にできはじめていたセンター返しをもう一度徹底することだろう」 佐藤は、この日、前日の坂本同様に大ブレーキとなった。 1回二死一、三塁の先制機にグリフィンの外角のボールゾーンに曲がるスライダーに手を出して三振。3回二死三塁でも同じパターンで連続三振。6回無死二塁の得点機にも2番手のケラーに抑え込まれセンターフライに終わっていた。 広岡氏が言う。 「監督の力で言えば、やはり岡田が上。そして投手力にも余力がある。繰り返すが、数字上は、もう巨人だが、私がまだわからんというのは、そこのところと、巨人のプレッシャーを考えてだよ」 まだペナントレースは終わっていないのである。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)
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