『これあげる!』ゾウが長い鼻で飼育員さんに渡したものは?「初めて見た!」「お利口さん」
ゾウから歯をもらうのは初めてのことだった! 「これが実際の歯か」と感動も
ーーナマリーちゃんの生い立ち、周南市徳山動物園へ迎えられるまでの経緯について教えてください。 「ナマリーは、スリランカにある『ピンナワラ ゾウ孤児院』で生まれました。徳山動物園では、先代のアフリカゾウ・マリが亡くなり、『再び、周南市にゾウを』という市民の気持ちが高まり、その声はスリランカまで届いたのです。日本とスリランカ民主社会主義共和国との国交60年記念友好の証として、雄のミリンダと雌のナマリーが来園してくれました」 ーー抜けた歯を受け取ったとき、どのような状況だったのでしょうか? 「2024年9月1日、夕方ころ、ナマリーが足でゴリゴリと音を立てながら何かを踏んでいたのです。『石か何かか』と思い、くれるようにお願いしたところ、鼻でその何かを持って渡してくれました。すると、それは石ではなく抜けた歯だったのです」 ーーどのような感想を持たれたか教えてください。 「このように歯をもらうことは初めてだったため、驚きもしましたが『これが実際の歯か』という感動もありました」 ーーゾウの歯は何本あるのでしょうか? 「牙が左右に1本ずつ、奥歯(臼歯)が上下左右に1本ずつ、合計6本あります」 ーーゾウの歯が5回生え変わることに驚くコメントが多く見られました。これからナマリーちゃんの歯はどうなっていくのか教えてください。 「まず、ゾウの歯は、人の歯のように乳歯を押し上げて新しい永久歯が出てくるという仕組みではありません。ゾウは生まれたとき、すでに乳歯があり、そのあと新しい歯が口の奥の後ろから前へと出てきます。ゾウは、歯ですりつぶしながら物を食べるため、靴底のような凹凸のある歯は磨耗し、平らな歯になっていきます。そうなると、食べ物をすりつぶしにくくなりますが、古い歯が抜けても、新しい歯が後方にひかえているので食べ物をすりつぶすことができるのです。ナマリーの歯は、まだ5回生え変わっていません。今後、奥の方から新しい歯が前方へ移動してくると思います」 ーーナマリーちゃんは、どのような性格ですか? 「食べることが好きですが、好き嫌いははっきりしています。 ゾウたちの主食は草ですが、号令を聞いてくれたときはご褒美としてリンゴやサツマイモなどをあげることも。これらはおいしく食べてくれました。ところが、過去に梨をあげたときは気に入らなかったようです。ポイッと投げて踏み潰されました」 ーー1日をどのように過ごすのか教えてください。開園時間内であれば、ナマリーちゃんに会えますか? 「朝は、日課である足洗いをされてから10時過ぎに外へ。飼育員と一緒に歩いて運動したり、草を食べたり、雄と鼻を絡ませ合ったりなど、のんびり過ごします。お昼は、ごはんを食べるために一度、寝室へ戻りますが、13時半過ぎにはまた外へ。午前中と同じように過ごし、夕方には寝室に戻って足洗いと身体チェックをします。それが終わると夕ごはんです。開園中は、室内外問わず、ナマリーをご覧いただくことができます」 (まいどなニュース特約・梨木 香奈)
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