あぶなかった…65歳の共働き夫婦、給与所得のおかげで「年金は繰下げ受給」と余裕→大急ぎで年金事務所に駆け込んだワケ【CFPの助言】
人生100年時代といわれる現代、将来を見据えて「働いているあいだは年金はいらない」と考え、年金の繰下げ受給を選択する人も少なくありません。しかし、ここで正確な情報を押さえておかないと、本来もらえるはずの年金がもらえなくなることも。ある夫婦の事例をもとに、年金制度の注意点をみていきましょう。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役の井内義典CFPが解説します。 【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
働けるうちは年金はいらない…バリバリ働く65歳共働き夫婦
修二さん・律子さん夫婦(仮名)は、ともに65歳です。夫婦共働きで、60歳以降給与は大幅に下がってしまったものの、同じ会社で引き続き働いています。なお、いまの会社では、70歳まで勤務することが可能です。 2人とも元気で「働ける限り働きたい」と考えており、年金については「年金はまだ必要ない。『繰下げ受給』で年金を増やして受け取りたい」と思っています。 また、知り合いから「早くに年金の手続きをすると年金が減って損になる」と聞いていたことから、65歳を過ぎたいまも手続きをしていませんでした。 しかし、「繰下げ受給する予定だし、1度年金について詳しい話を聞いておくか」と考えた修二さんは、夫婦でCFPのもとを訪ねました。 すると、CFPは「すぐに年金事務所に行って、年金の手続きをしてください」といいます。 修二さんは、「まだ年金はいらないのに、なんでいま手続きをしないといけないのか」と思いましたが、これには理由があるようです。
生年月日によっては「特別支給の老齢厚生年金」が受給可能
実は、老齢年金には65歳以降受給できる「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」のほかに、「特別支給の老齢厚生年金(以下、「特老厚」)」があります。これは、生年月日によって支給の有無や支給開始年齢が異なりますが、修二さんと律子さんはともに支給対象となっています。 ただし、同い年であっても男性と女性で支給開始年齢が異なり、修二さんは64歳で支給、律子さんは61歳で支給されることになっています。 65歳になっても年金の手続きを行っていなかった修二さんと律子さんは、当然2人とも特老厚の請求もしていませんでした。
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