10月横ばいの電子部品世界出荷額、日系メーカーは最大市場の需要取り込めるか
電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた日本メーカーによる10月の電子部品世界出荷額は、前年同月から横ばいの3979億円だった。最大市場である中国向けの出荷額は前年同月比1%減の1393億円と微減にとどまった。為替の円安が出荷額を支えたといえる。中国市場では、現地メーカーが電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の生産台数を増やす中、日系電子部品メーカーが需要を取り込めるかがカギを握る。 【グラフ】日系電子部品の世界出荷 中国汽車工業協会(CAAM)や調査会社のマークラインズによると、10月の中国の新エネルギー車(NEV)生産台数は同48%増の約146万台だったという。特にEVはエンジン車と比べ必要とする電子部品の個数が増えるため、部品メーカーにとって出荷数量が増える好機となる。 品目別の出荷額では、受動部品が同4%増の1950億円。電気を一時的に蓄えたり放出したりして回路のノイズを除去し、電圧を安定させるコンデンサーは同2%増の1337億円だった。インダクターは同7%増の358億円となった。