会社のレベルは会議に表れる…コンサルタントから見た、仕事を「しやすい会社」「しにくい会社」とは?
■ 中途半端に知識を身につけると、逆効果なことも 実際、コンサルタントにすべてをお任せするという姿勢の会社は少なくありません。 お金を払ってコンサルタントに来てもらったのだから、何かためになる話が聞けるはずだとか、自分たちのわからない問題点を教えてくれるはずだというような、完全受け身の姿勢です。 そういう会社はおそらく普段から、自分たちで考えるという習慣がないのでしょう。 コンサルに対して、「ここが問題だからこういう方向に改善したい」などと、具体的に要望を伝えてくる人は驚くほど少ないです。 ある飲料メーカーに頼まれてコンサルに入った際も、ヒット商品に代わる新商品をどうしたらいいか、というざっくりした依頼内容でした。 依頼がざっくりしていると、こちらのリアクションも同様にざっくりしたものにならざるを得なくなります。つまり、負の連鎖です。 考えることに関して企業の大小はあまり関係なく、大きな企業なのに驚くほど人任せの会社もあれば、小さいけれど社員一人ひとりが自分の頭で考える習慣がついている会社もあります。前者の会社に当たってしまった場合は、何を言っても打てど響かずで、苦労します。 別の意味で苦労するのが、勉強が好きな会社です。 たとえば、見込みがある社員をやたらとビジネススクールで学ばせたりする会社があります。言葉は悪いですが、とにかく何か学ばせることで、社員の能力がアップするという幻想に憑りつかれているのです。会社側としては「学ばせた」という事実で安心するのでしょう。 しかしビジネススクールもピンキリですから、下手なところに行くと、結論仮説を作る前に、「まずは大事な情報を集めましょう」という感じで教えています。 大事って、何にとって大事なのか? もちろん、結論仮説を実証する上で大事な情報なのですが、それがないまま、情報を集めることが大事だと教えているのです。 堀さんも「できないコンサルほどすぐ情報収集したがる」と言っているように、ビジネススクールで誤った知識を身につけてしまうリスクもあるわけなのです。 こうして中途半端に知識を身につけた人に限って、たちが悪かったりします。「生兵法は怪我のもと」という言葉を聞いたことがあると思います。中途半端なやり方は、かえって失敗してしまうという戒めですが、まさにこれと同じことが起きるのです。 「自分は勉強したんだ」という自信だけが大きくなって、コンサルタントに対して対抗意識のようなものを燃やします。素直にこちらの言うことを聞いてくれません。 それどころか、重箱の隅を突つくような、本質とはかけ離れた指摘をして、全体の進行や理解を妨げるのです。