日本代表 北中米W杯アジア最終予選メンバー発表、森保一監督会見要旨
日本サッカー協会(JFA)は7日、千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドで記者会見を行い、11月の北中米ワールドカップアジア最終予選2試合に臨む日本代表メンバー27人を発表した。森保一監督と山本昌邦ナショナルチームダイレクターが登壇した。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 ●山本昌邦ナショナルチームダイレクター 「年内最後の2試合ということで、折り返し地点を迎える。しっかりといい成果を上げて、2024年を締めくくりたい。そして2025年の戦いにしっかりと皆さんに希望を与えられるような、すばらしい遠征にしたい。アウェーの連戦ということで厳しい環境、そして移動も長距離になる。そのなかで選手やスタッフがベストなコンディションを保てるように準備してサポートしたい。現地のサポーターも日本の方が多いと聞いている。メディアの皆さんを通して、今回は多くの方に観ていただける機会。しっかりと皆さんに2024年の締めくくりとして、すばらしい内容で戦う姿勢を見せて成果を上げたい」 ●森保一監督 「この11月のインドネシア戦、中国戦とアウェーで厳しい環境での2連戦になる。サポーターの皆さん、そしてわれわれを応援してくださるすべての皆さんとともに戦い、この2連戦で2連勝できるように最善の準備をして全力で戦っていきたい。アジア最終予選では日本が有利と感じておられる方も多いが、アウェーの洗礼含めて、厳しい戦いになると思っている。その厳しい戦いを2連勝できるように、ともに戦っていただければ。今回のアウェーでの試合はDAZNさんが無料配信ということで、より多くの日本の国民の皆さん、日本代表のサポーターの皆さんに日本が国際舞台で世界と戦っていることを配信してくださる。われわれも世界一に向けて、目の前の一戦に全力を尽くす姿をお見せできるように、ベストを尽して戦ってまいりたいと思う」 ──古橋亨梧が復帰した。どういう評価で選出し、どういった部分に期待をしているか。 森保監督 「代表への招集は最近できていなかったが、彼のプレーは常にスタッフが行ける限りセルティックの試合を現地で見て、毎試合映像を通して確認している。言うまでもなく、彼はここまでヨーロッパで結果を残してきている。チームを勝たせる存在感のあるプレーをしていることで今回選ばせていただいた。怪我の上田綺世との代わりと考えられるかもしれないが、まったく代わりではない。普段から候補選手を見ているなかで、今回選ぶべき選手だということで選んでいる。彼の特長としてはゴール前でピンポイントで合わせて、ゴールを奪い切り、仕留めることができる選手。まずはそこのゴール前の良さを出してもらえるように、本人にも思い切ってプレーしてほしい。チームとしても彼の良さを生かせるように、そしてこれまで戦ってきた戦い方と合わせて、双方にとって幅を広げられるように活動していければ。亨梧もゴールに向かっていく仕事だけではなく、セルティックでは前線の起点となってもう一回ゴール前に進入していくところ、さらに求められているプレーをしていることも確認できている。われわれにとっても、得点を取ってもらうのは一番の良さで環境作りをしたいが、チームとして起点になる部分や前線からの守備というところは、いまセルティックでやっていることを代表でも生かしてもらいたい。活かせるように、チームでも準備したい」 ──W杯出場国枠が広がったことで、インドネシアを含めてアジア全体の底上げになっている。いまの状況をどのように思っているか。 森保監督 「おっしゃるとおり、インドネシアだけではなく、2026年北中米ワールドカップから出場国枠が増えて、これまでW杯が夢の舞台で現実的には手が届かないなか、W杯に出れる、そして出るために強化するという国が増えた。アジアの国々のレベルアップ、インドネシアも間違いなくすばらしい強化をしていて、これまでのインドネシアにはない力をつけている。強化の仕方もその国でさまざまな強化をしている。インドネシアに関しては、もともと熱狂的なサッカー文化のある国だが、自国の選手としてインドネシアにルーツのある選手が帰化して、インドネシアのために戦うことを強化の一環としている。帰化したほとんどの選手がヨーロッパで活躍している選手で、非常に力のある選手たちがいまインドネシアの選手としてスタメンのほとんどのポジションでプレーしている。これまでのインドネシアとはまったく違う、さらに強いチームになっている。われわれもヨーロッパで活躍する日本人選手が多いが、同じ舞台に立っているインドネシア代表の選手もたくさんいることは把握しているし、厳しい戦いになることは覚悟して試合に臨まなければいけない」 ──インドネシア、中国のサッカーをどう分析しているか。インドネシアのシン・テヨン監督とはアジア杯で試合後に親しげに話していたが、何を話していたか。 森保監督 「11月の初戦のインドネシアは、堅守速攻もできれば、前から激しいプレスをかけて相手のやりたいことを潰して、ゴールに向かっていくこともできるチーム。ただ、これだということは決めつけてはいけない。毎回の活動で、アジア最終予選に入ってからも帰化選手がどんどん増えてきている。その選手の特徴を生かしたり、プラスアルファの力をチームとしては常にプラスしながらチーム作りをしているので、決めつけて考えてはいけない。ただ、これまでの戦い方は堅守速攻や激しいプレスを条件によって使い分けている。個の強い選手をチームとしてもシン・テヨン監督が起用しているので、個々の局面で突破してくるところはわれわれが上回っていけるようにしていかなければならない。シン・テヨン監督とはアジア杯後お会いしたときには話をしているが、非常にすばらしい監督だと思っている。まず韓国でも結果を出している。W杯に導いて世界の舞台で戦った経験を持っている。インドネシアがアジアのなかで躍進し、チームの強化にあたってインドネシアのサッカーを成長させていっていることは間違いない。そういったところのリスペクトを込めて、監督がやっていることはすばらしいという話はさせていただいた」 ──10月のホーム戦ではオーストラリア代表のスタジアム入りが遅れた。一方、日本はサウジアラビアでのアウェー戦で早く到着していた。どう調整しているのか。 山本ND 「前回の到着が遅れた件は、いろんな事情がある。現場の担当の皆さんはしっかりやっていた。AFCの対応もしっかりやっていた。交通事故があって高速道路が止まってしまった。規定の時間に間に合わなかった。われわれの環境作りもそうだが、そういうものを充実していく。たとえば、われわれがポリスエスコートをつけることは法律上できないが、海外にいったときにはやってもらえている。文化としてどんどん上げていって、環境を整えていって、近くのホテルから行けるようにするなどサポート体制はしっかりとやっていかないといけない。ただ、これは現場の事務局の皆さんにとって長年の課題なので、しっかりと取り組んでもらっている。コンディションに影響することなので、相手のコンディションが良ければ、われわれもいいものを引き出してもらえる。いい試合をお見せするうえで、相手チームの環境もすごく大事だと認識しているので、今後しっかりと努力していく。(サウジアラビアでのアウェー戦について)渋滞事情もあるが、ポリスエスコートの力は大きい。スムーズに流れるところや、現地に行ってわれわれのスタッフが何度も調査して、いい準備をしてくれているからこそ流れが作れた。サポーティングスタッフの力もある。基本的にはポリスエスコートがついたことで信号も通過できるし、計算は立てやすい。サウジアラビアはこの後もアジアカップやW杯開催を目指していると聞いている。そういう準備を踏まえて成長しているんだなと感じる」 ──選手の選考基準でクラブのステージや試合出場数を選考基準のひとつとして大事にしているが、下のカテゴリーで選ばれている選手もいる。どう折り合いをつけてバランスを取っているのか。 森保監督 「一言でいうと、どの国でどのチームでプレーしているかということを一概にランク付けできないと思っている。総合的に判断するということしか言えないとは思っている。リーグのレベルと市場価値についての資料はすべて見ている。基本的には5大リーグでプレーしている選手で、そこからいろんなデータを出す組織があるので、その組織が出す国別のフットボールのランキングは見ている。だがあくまでもひとつの基準。われわれが見ているなかで、活動を通したなかで、普段やっていることとまた違うチームで日本代表として戦うので、そこでどういう存在感を出せるかということは、そこは総合的にとしか言えない。総合的に判断している」 ──オーストラリア戦後、先発メンバーの固定に対してアジア最終予選については前の積み上げを次の試合に生かすことを重視していると言っていたが、どういう判断で決めたのか。 森保監督 「9月、10月のアジア最終予選もそうだが、これまでの代表戦はほとんどが1回の活動で2試合ある。1戦目と2戦目のメンバーを決めることに関して、いつもスタッフ間で議論しているし、私自身も最終的に決定するなかで、すごく悩んでいるところはある。これが正解なのかと自問自答しているが、与えられた時間のなかで考えて、これがいまの最善、最適だということで答えを出させていただいている。9月、10月の最終予選での戦いは、メンバーとしては多く変わっていないという決断になった。それがベストだということで、勝つ可能性をより高められるのではないかということで、練習や準備する時間も踏まえたうえで、最大限の力を発揮できるようにということで決断した。おっしゃられたとおり、同じ力を持っているいい選手はいっぱいいるので、より多くの選手を1試合目と2試合目で変えて、ピッチに送り出すことも可能だとは思う。だが、より勝つ可能性を上げられるようにということで決断している。次のインドネシア戦から中国戦に向けても、どういう選択をするかわからないが、常に選手たちやチームの状態を見ながら、1戦目から2戦目で変わっても変わらなくても、ただ何も考えずに起用していることはない。私自身も何パターンも考えるし、スタッフ間でも議論して考えていることをわかっていただければと思う」 ──睡眠について「オーラリング」導入から、選手ローテーションの中でコンディションの参考にしていることはあるか。また睡眠のこだわりはあるか。 森保監督 「いろんなデータを駆使して、選手のコンディションを把握して、試合に向けてチームとして最善の準備をするために、オーラリングもそのひとつとして使わせていただいている。データとして確認はするが、データだけを見るのではなく、選手たちとともに過ごしているので、選手たちの行動を見てデータ通りなのか、主観的に見て違和感があったら確かめたりすることもある。ただデータにだけ惑わされないようにしている。主観と合わせてどう決断するかはやっていかないといけない。データだけ見ると眠れていないとか、脈拍がおかしいということもあるが、生活しているなかではありえる。本人が心身ともに健康な状態であれば、多少乱れてもプレーできるという判断でほとんどの場合はプレーしてもらっている。具体的な例をいうと、前回のオーストラリア戦でオーラリングでのデータの測定値がおかしくて、遠藤(航)選手のコンディションが悪いということは、オーラリングのデータから早めに見つけて対処することができた。そこは現代の科学に助けてもらいながら、チームとしては最善の準備をしている。私自身は、あまり使ってはいけない言葉だが24時間サッカーのために、24時間戦う気持ちではいる。だが睡眠をしっかりとらなければ、リフレッシュやリカバリーしなければ、心身ともに体は動かないし、いい判断はできないということはこれまでの経験でもある。次の日によりいいエネルギー、パワーを持って臨めるように睡眠はしっかり取るようにしている。ただ国内で活動しているが、ヨーロッパで活動している選手が多いので、ヨーロッパ時間で仕事をしなければいけないことも多いので、どうやって睡眠を取るかは工夫しながら、休むところは休むようにしている」 ──上田綺世が怪我で不在だが、軸となる選手がアクシデントでいないときの考え方はあるか。 森保監督 「FWのタイプで言うと、上田綺世、小川航基、大橋祐紀も選んでいるが、古橋亨梧や前田大然もできるかもしれない。タイプ別に分かれてターゲットタイプ、背後に抜け出すタイプ、クロスに合わせるタイプと一番得意なことは変わってくるかもしれないが、チームとしての戦い方の優先順位は変わらない。それはボールを奪った瞬間から相手の背後、ゴールに向かって攻めるということ。動き出して配球することは変わらないので、そこは誰が出ても変わらない。そのなかで小川航基や上田は同じようで実は違うところもある。ポストプレータイプもあれば、亨梧が試合に出れば、より押し込んだ状況でクロスから点で合わせるということが特徴だと思う。でも、チームの中で優先順位の一番は、相手の背後を取ること。起点になってプレーをしてもらうということは、すべての選手に求めていきたい。チームとしての戦い方が変わるとは思っていない。優先順位と特徴の生かし方が変わるかもしれないが、チームとしての戦い方が変わることではないと思っている。逆に、特徴の違う選手がFWだけではなく、中盤もDFラインもいるので、ベースにチームのコンセプトを持ちながらも、その選手の特徴を生かしていくことをオプションとして使えるように、チームとしても共有したい。チームの戦い方としても幅を持って戦えるようにできればと思っている」 ──インドネシア戦の日程が1日後ろ倒しになり、使える準備期間が長い。一方で中国戦は時間が短い。どういう姿勢でやるか。 森保監督 「まずはインドネシア戦に向けて、これまでの最終予選と違って1日長くトレーニングできるということは、われわれにとってありがたいこと。理由としては、日本から行っても、ヨーロッパから行っても、インドネシアとかなりの気候の違いがあると思うので、コンディションを合わせられる時間が多く、よりいい状態で試合に臨むことができると思っている。戦術的な部分でも、練習の回数が1回多く取れ、ミーティングの回数も1回多く取れる。われわれのコンセプトや、試合に向けての戦い方をより共有する時間ができるという部分では、その1回を有効に使いたい。まだ何をプラスできるかということは、選手のコンディション等々を見極めながら、現地でやっていく。いま決められるものではないが、より選手が思い切ってプレーできるように、チーム戦術と役割の部分では、ピッチ上でもピッチ外でも深掘りして共有できるかなと思っている」 「中3日で中国に行くという部分において、通常は中4日で公式戦は移動して準備をするが、今回は中3日ということで、2戦目に関しては1日準備期間が少なくなる。だが、それよりもまずは第1戦で、チームで共有する部分を深く広く共有することが大切だと思う。まずは1戦目でいいコンディションを作ることが2戦目につながると思っている。ありがたいことに、中3日で移動等も含めるといい準備という部分では難しくなるが、JFAの皆さんの強力なサポートにより、1戦目から2戦目はこれまでもチャーター機を出していただいてすぐ移動することで、よりいいコンディションを作らせていただいている。今回に関しては、1戦目が終わってすぐ移動ではないが、それはまず選手をどう休ませるかというところが一番大切なところ。試合が終わってすぐ移動させて2戦目の現地で休ませることが、選手にとって一番コンディション作りでいいことなのかということで、今回は違う選択肢のほうがいいという選択をしている。試合が終わって朝方に移動するよりも、まずは夜休んでもらって、そこから移動することのほうが最善だということで、前回とは違う移動の仕方をする。チャーター機を出していただいていることで、途中のいろんなトランジットなどのストレスは選手にはかからないので、非常にいい準備はできる。環境作りをしてくださっている方々に感謝申し上げたい」 山本ND 「今回インドネシアとの試合が1日ズレるということで、アジアの予選すべてを見ても、われわれだけが1日後ろにズレている。本当に大変な調整になる。たとえば次にやるチームのこともある。それを全部整えることは本当に難しい作業。インドネシアもヨーロッパでやる選手が増えてきて、われわれもヨーロッパでやる選手が多くて、いいコンディションでサッカーをお見せするというところで、お互いが協力してやりましょうと。インドネシア協会といい関係があるからこそ、こういうことが作り上げられた。事務局の皆さんの働きを見ると、本当に頭が下がるしかない調整だった」 ──インドネシア代表に帰化選手が何人いるかなど、チーム状況は把握しているか。 山本ND 「私が掌握しているというよりも、われわれの分析担当が充実しており、すべて把握している。現場の監督、コーチングスタッフに共有されている。W杯でさらに上に行くために、われわれのテクニカルスタッフにプラス、サポートしてくれるグループも強化している。私が正解を申し上げられる状況ではないが、把握できる仕組みは作って、資料を出してもらえばすぐにお伝えできる。監督以下コーチングスタッフのところには伝わっている。具体的に私がコメントしてこれがわかってしまうと、われわれが不利になることもあるので、そういうことでご理解いただければ。すべてわかっていると思っていただければいい。たとえばメンバーの過去の実績の出場記録ももらっている。データ分析のところはかなり進んでいる」 ──インドネシアは上位にアウェーで引き分けに持ち込む戦い方をしている。難しい戦いをどう考えているか、 森保監督 「まずは引いた相手をどう崩すか。10月のオーストラリア戦では守備を固めてきて、そこから攻撃を仕掛けてきた。これまでの戦いを見るとオーストラリア戦と同じような戦いが、インドネシア戦でも考えられる。同じ想像のなかで戦うのであれば、相手が非常に賢い戦い方をしてくるなかで、さらにわれわれのほうが賢く戦って上回っていく。オーストラリア戦のときは、試合はわれわれが支配していたが、先制点を奪えなかったところで失点をしてしまった。まずはワンチャンスを狙ってくる相手に無失点で抑え切りながらも、守備を固めてくる相手にオーストラリア戦よりもチャンスの数を増やして、ゴールにつなげる回数を増やすということを、チームとして修正、改善、そして成長できるようにトライしていきたい。オーストラリアもW杯でベスト16に入った世界的な強豪。そういった相手が守りを固めても、そこで崩して勝っていける力を身に付けないといけないということは、オーストラリア戦を振り返っても反省として私自身出てきた。チャンスの数も過去3試合に比べたら少なかった。次もし同じようなシチュエーションになったとき、シュートチャンスを作れるようにどう仕掛けていくか。インドネシア戦では守備を固めてきた戦いをする流れになったとしても、得点を決められるように、よりまた無失点をインドネシア戦から続けていけるようにしていきたい。先ほども言ったが、メンバーもどんどんプラスアルファされているし、インドネシアのサッカーは熱狂的なサポーターがいるなかで、彼らにとってはものすごい後押しを受けながら戦いを仕掛けてくる。よりアグレッシブに戦ってくることも想定、想像しながら試合に挑まなければいけない。インドネシアのサポーターのアウェーの圧力も想像して、われわれが落ち着いて、アグレッシブな試合ができるように、メンタル面でも準備しないといけない」 ──今年最後の活動になる。来年に向けてどのような収穫を得て、来年に向かいたいか。 森保監督 「来年アジア最終予選を突破するためにも、確実に前進していけるように。2連戦の厳しい戦いをわれわれが勝利を掴み取れるように、全力を尽くしたい」 ──古橋を生かすために、どうするべきとイメージしているのか。 森保監督 「彼個人の良さを生かすという部分で、チームとしてもいろんな攻撃のバリエーション、選択肢を持って戦えるようになると、さらにチーム力も上がるし、本人の良さも出せる。彼の良さでいうと、直近のCLでの試合も相手のDFラインぎりぎりのところで駆け引きして、背後に一気に抜け出すシーンがあった。ダイレクトプレー、直線的にゴールに向かっていく抜け出すプレーは生かしてもらいたいし、生かしてあげたい。彼の良さを出そうと思えば、われわれが押し込んだ試合をしなければ、守備にもタスクを負ってもらわないといけないので、そこから攻撃に出ていくという部分になると良さが出ない。より押し込んだプレーで、DFラインぎりぎりのところで駆け引きをしてもらえるような展開に持っていかなければいけない」 ──今回初招集はゼロ。Jリーグで目に見える結果を残した選手がいるなかで、メンバー入りできなかったことをどう捉えているか。 森保監督 「メディアの皆さんもそれぞれ推しの選手であったり、普段見ているなかでこっちのほうがいいだろうという選手間の比較の仕方はあると思う。いろいろな見方があり、このメンバーがポジティブなのかネガティブなのかと考えることについては、代表に関心を持っていただいているファン・サポーターも含めていろんな意見があって当然。次のインドネシア戦、中国戦に関してベストなメンバーということで、日ごろから国内外、現地や映像で観るというところを、スタッフでできるかぎり行ったなかで、ベストなメンバーだとポジティブに考えている。ただ競争はグローバルになっているので、日本だからヨーロッパだから、アメリカにいるから、アジアでやっているからではなく、観ているなかで世界的な競争を踏まえて選ばせていただいている。これまでの日本代表の歴史があって、そして世界各国、代表チームを編成するにあたって、クラブは選んだ選手をずっと使い続ける。最初から選ぶということをやっていて、その選手をシーズンを通して見ていくことで選手が決まり、選手の良さを出していく。常に幅広い選手層のなかから、そのときの調子やチームの戦い方や状況を見た中で、選手を選んでいかなければいけないというところは、まったく違う。常にグローバルの競争のなかで、選ばれる選手とそうではない選手が出てくるということは、普段見ている選手とは違う部分の選考があると思っている。ネガティブはひとつもない。申し訳ないという部分もある。日本代表として戦力としてプレーできるだけの力を持っているのに、日本代表として日本のために戦いたいと思ってくれている選手が多いなかで選べるのは27人、ベンチに入れるのは23人しか選べない。多くの選手たちが代表への思い、日本のために戦うという思いを持ってくれているなかで、選べないというのは申し訳ないというか、本人たちにとってネガティブだとは思う」 ──キーマンはいるか。 森保監督 「全員です」