新型アストンマーティンDBX707の進化が鮮やかすぎた! 3290万円のスーパーSUVの最新モデルに迫る
走りも変わった!
足回りのセッティングもはっきりと変わっている。 DBXシリーズのハイパフォーマンス版として2年前に登場したDBX707だが、最高出力が707psにも達する割には快適性が高いことで好評を博したことをご記憶の読者も少なくないはず。たしかに、足回りの動き出しはスムーズで、このため路面からゴツゴツという振動を伝えにくかったのは事実だが、個人的には、サスペンションの動き出しのしなやかさと、そこからさらにストロークしたときのソリッドな印象がややアンバランスに感じられたため、乗り心地については最高出力550psのスタンダードDBX(以下、DBX550と表記)のほうが好みだった。 しかし、新型DBX707ではその不自然さがおおむね解消され、ストローク量にかかわらず一定の感触を示すようになった。プレスリリースによれば、電子制御式ダンパーのソフトウェアを改良したそうだが、おそらくはその効果であるはず。これだったら、乗り心地面でもDBX707を積極的にお勧めできるというものだ。 それどころか、今回の商品改良に伴ってDBX550の販売は終了し、DBXシリーズはDBX707に一本化された模様。 もっとも、DBX550とDBX707は、もともと燃費データが同じだったうえ、今回の改良で乗り心地面でも互角になったのだから、価格面を除けば敢えてDBX550を選ぶ理由はなくなったともいえる。 つまり、新しいDBX707は名実ともにアストンマーティンを代表するSUVに生まれ変わったのである。
文・大谷達也 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)