「ディーゼル」2025年春夏は14トンのデニムの端切れがランウエイに 「廃棄物の中にこそ美しさがある」
「ディーゼル(DIESEL)」は2025年春夏コレクションを9月21日(現地時間)にミラノで発表した。ショー会場には、14トン以上もデニムの端切れを敷き詰めた。圧巻の没入空間でグレン・マーティンス(Glenn Martens)=クリエイティブ・ディレクターが見せたのは、ブランドのアイデンティティーであるデニムの破壊力、デザインとしての無限の可能性、そして循環性だ。 【画像】「ディーゼル」2025年春夏は14トンのデニムの端切れがランウエイに 「廃棄物の中にこそ美しさがある」
ショー開始直前まで会場内では、インディゴの歴史が淡々と読み上げられた。「ディーゼルとは、デニム。デニムを、インディゴを、そしてディーゼルを楽しんで」という一節とともにショーは開幕した。
“実験的アプローチ“で進めるサステナビリティ
「ディーゼル」は、“実験的アプローチ” をサステナビリティの面でも追求している。デニムの原料となるコットンをオーガニックコットンに切り替えたり、水や化学薬品の使用量を減らした加工技術の研究も進めたりしていてる。今回のコレクションはそうした生産背景の進化を前提に生み出されている。
繊細な細さのデニムのフリンジが揺れるマイクロショーツ、シャンブレーのスリップドレス、ダメージ加工を施したテーラードジャケットもある。二重織機で織ったデニムのワークジャケットは、オーバーダイでキャメルのような色合いに仕上げた。ボリュームのあるロングコートはデニムの残糸だけで作った。オーバーサイズジーンズは、生産過程で出た端切れを組み込んだ100%リサイクルコットン製だ。
プリーツジャージーのタンクトップやシャツ、ミニドレスにはひび割れたような加工を施し、「破壊」のアティチュードを表現。後半にフィーチャーしたのは、「ディーゼル」のアーカイブのバンダナ柄。デザインリソースの面でも、古いものを現代に昇華し「循環」させた。同じバンダナ柄を“プレイ“バッグにもプリント。さらに、“プレイ“バッグを進化させた新作“ダブルD”バッグも登場した。