今年の土地の価格・「地価」の調査結果がきのう発表されました。県内の商業地の「平均変動率」は、32年ぶりに下落しませんでした。中でも白馬村は、全国で4番目に高い上昇率となりました。それには様々な要因が。 7月1日時点の地価調査は、県内401の基準地で実施されました。県全体で住宅地は、去年と比べてマイナス0.2％と28年連続で「下落」、商業地は横ばいとなり、32年ぶりに下落しませんでした。 県内で商業地の上昇率が最も高かったのはこちら。 ■記者 「白馬村のエコーランドでは全国で4番目に高い上昇率となりました」 飲食店などが並ぶ白馬村の「エコーランド」では、全国で4番目に高い上昇率となる30．2％を記録しました。 ■さくら不動産・有井美彩さん 「白馬の地価とかポテンシャルを見込んで投資をしたい人が増えている。10年くらい前からオーストラリアとかニュージーランド系の人が多かったけど、コロナ禍を経て台湾・香港・シンガポール・マレーシアなど東南アジア圏の人が増えている」 コロナ禍以降、海外の投資家から人気があるといいます。 ■さくら不動産・有井美彩さん 「もちろんウインタースポーツは人気だけど、グリーンシーズンの魅力も最近上がってきていて、スキー場を中心にグリーンシーズンも楽しめるアクティビティとかが人気の要因」 また、賃貸の動きも活発でさくら不動産では、アパートなどおよそ500室を管理していますが、常に満室だとか。 ■さくら不動産・有井美彩さん 「1Kが新築のアポートで、98000円で出している。それだけ移住したい人もだし、コンドミニアムとかホテルを建てている作業員とかスタッフなど社員寮として借りられる法人も増えている」 一方で、地価が上がることで困惑する地域住民もいます。 ■住民 「固定資産税は今のところそんなに変わらないけど、相続税はちょっと悩んでますね。ありがたいようなありがたくないような…」 スポーツ用品店の従業員は、外国人が増え困っていることも。 ■住民 「文化が違うのでアイスを食べながら入って来たりとか、駅前のよく行っている定食屋は混んでいる。（冬は）いつも行っている所にそんなに行ったりしない」 さくら不動産の有井さんは、白馬村の地価上昇は今後も続くと予想しています。 ■有井美彩さん 「コロナ禍中に買っていた人はラッキーで、今の段階だとなかなか別荘を見つけようとしても見つからない状況が続いている」 こちら軽井沢も全国トップクラスの上昇です。商業地も上がっていますが住宅地では価格変動率の上昇が各地点平均で10％を超えています。 もっとも上げ幅が大きいところは1平方メートルあたり16万円で、去年より1万2千円高くなっています。 地元住民は… ■30年近く住む地元民 「コロナが騒ぎ出した頃から増えました、都会の人。小学校の子ども達の親も（元々）軽井沢住民じゃなくて都会から来た人が増えた。軽井沢が発展するならいいこと」 不動産鑑定士・塚田栄二郎さんによるとコロナ禍にテレワークが普及したことで、首都圏からの移住者が増えたことが要因と見られます。 リゾート地でありながら都心部まで新幹線や高速道路ですぐ移動できるとあって全国的に見てもトップクラスの上昇だといいます。 一方、長野市は商業地・住宅地ともに約30年ぶりに地価が上昇しました。 2019年の台風19号災害で、地価が大幅に下落していた長野市豊野など市内の被災地では下落幅が縮小しました。豊野では価格の変動率が2020年でマイナス13．1％だったのがマイナス0．6％と大きく緩和しました。 塚田さんは千曲川の護岸工事が進んでいることを受け、リスク軽減の期待感が表れた形だとしています。 また、市の被災地区移住補助金を使って移住するケースも徐々に増えてきているということです。