新型ランボルギーニ ウラカン テクニカは、まさにスーパーカーと呼ぶにふさわしい1台だった!
ランボルギーニの新しい「ウラカン テクニカ」は、見ても乗ってもスーパーな1台だった! 小川フミオがリポートする。 【写真を見る】新型ランボルギーニ ウラカン テクニカの細部
またとない快感
嬉しさと悲しさに、ほぼ同時に襲われるクルマ……2022年に発表され、2023年に一般向けに公開されたウラカン テクニカに2024年2月、ついに試乗出来た。クルマ好きにとって、ものすごく嬉しい体験だ。くわえて、悲しさもひとしおだった。 ひとことで表現すると、みごとな出来のスーパーカー。こんなに楽しいスーパーカーはそうそうない。フェラーリ「296GTB」やポルシェ「911ターボ」といった競合もあるが、ウラカン テクニカは独自の魅力を放っている。 最大の特徴は、ターボに頼らないいわゆる自然吸気型のV10エンジンと、後輪駆動方式の組合せだ。ランボルギーニは姉妹ブランドであるアウディ譲りの全輪駆動方式を看板にしていたが、軽量でかつコントロールしやすいからと、サーキット向けに後輪駆動モデルをクローズアップしたのは2020年からだ。 アウディ「R8」に載せられていた5204ccのV10エンジンは、470kW(640ps)の最高出力と565Nmの最大トルクでもって後輪を駆動する。数値からわかるとおり、強力なパワーとともに、上の回転域までよくまわるし、さらに乾いた排気音を含めて金属的なサウンドが、またとない快感だ。 スタイルも、大きな魅力。天才のひらめきというより、実は理知的に考え抜かれた演出も感じさせ、官能と理性のバランスが、アピールポイントになっている。グリルや排気管のテールカッターや内装にいたるまでいたるところに使われた六角形や、灯火類やシート表皮のアクセントになっているY字パターンも特徴的だ。 全高が1165mmに抑えられている車体に、一般的な開き方のドアを開けて乗り込むのは、そう大変なことではない。運転席には身体がすっぽりはまり、大きな計器盤と周囲の視認性のよさは、さすが早く走るための必要な装備と心得ている。 東京の市街地で走っていても、扱いにくさを感じる場面はあまりない。ウラカンのラリークロススペシャル「ステラート」だとリヤビューはカメラに頼ることになるけれど、テクニカでは、コイン駐車場を避けたくなることぐらいしか、ネガが思い当たらない。