ドラマ&映画『【推しの子】』櫻井海音×齊藤なぎさインタビュー。自身の経験や役づくりについて語る
「もう1度アイドルに」原作を再現するために、役づくりでこだわったこと
─撮影に入るまでには、どんな準備をされましたか? 櫻井:原作を徹底的に読みこんで、原作を見ずとも原作のイメージを表現できるよう、自分のなかに役を落とし込みました。 あと、役づくりとかじゃないんですが、撮影に入ってから機材トラブルなど不吉なことが立て続けに起こっていて、それを聞いて怖くなって1人で京都の車折神社にお祓いを受けに行ってきました。 齊藤:言ってよ! 櫻井:言っても行かないでしょ(笑)。 齊藤:行くよ! 齊藤:私も原作を読み込んだことに加えて、アイドルの映像をたくさん見ました。(=LOVEの)卒業から1年ぐらい経っていたので、アイドルの気持ちを思い出そう、もう1度アイドルになろうと思って、アイドルの映像や自分がアイドルだったときの映像をずっと見ていました。 ─アイドルとしての活動経験があって、アイドル役を演じるのはなかなかないことですよね。 齊藤:自分がアイドルだった経験を強みとして活かせると思っていたので、アイドル役をやるのは夢だったんです。いつかやりたかったのですが、こんなに早くできるなんてと思いました。 ─齊藤さんのアイドルとしての活動はもちろん、お二人とも恋愛リアリティーショーに出演されているなど、登場人物との共通点も多いかと思います。役づくりに生かされた部分や、共感したキャラクターを教えてください。 齊藤:アイドルをやっていた経験はダンスや歌っているときの表情だったり、ステージに立つことだったりにすごく活かされてます。 あと、MVのリップシーン(顔をアップで映し、歌詞に合わせて口を動かすシーン)ってめっちゃ難しいんです。曲に合わせて表情や身振り手振りを可愛くするのはすごく難しくて、私もアイドル初期の頃はめちゃくちゃ苦戦したんですよ。 でも、アイドルとして活動するなかで何回も何回もやってきたので、今回はリップシーンがすごく楽しかったです。リップシーンを楽しいと感じられるようになるには何回もやらないといけないと思うので、これまでたくさん経験できたこともありがたいなと思いました。 齊藤:共感したキャラクターはルビーちゃんとあかねちゃんです。ルビーちゃんは、アイドルが好きでアイドルになったという経歴が私とまったく一緒で、言葉の一つ一つで「私もこういうステージに立ちたかったな」とか「こういう気持ちでアイドルになったな」とか共感する部分が多いです。 あかねちゃんは誹謗中傷で追い込まれる様子が原作で描かれていますが、私も誹謗中傷でずっと悩んでいるので、共感するところは多いですね。 櫻井:アクアは原作を読んでいる段階から自分と通じる部分がありました。 キャリアの面で、アクアが本格的に仕事を始めたのは恋愛リアリティーショーで、そこから芝居があってという流れが自分と似ています。特にやっぱり恋愛リアリティーショーのところは自分が出ていたときのことをすごく思い出しました。それぐらいリアルに「わかる!」が詰め込まれていて、自分の経験も演技に活かせたと思います。