知的なヤング・アダルトのためのセダン、初代『セフィーロ』の斬新さ【懐かしのカーカタログ】
初代『セフィーロ』(A31型)の登場は、今から36年も前(!)の1988年9月のこと。当時の『ローレル』(C33型・6代目)、『スカイライン』(R32型・8代目)と車台は共通で、セダンがカタログ落ちしたローレルとはホイールベース(2670mm)が共通だった。 日産セフィーロ(初代)当時のカタログ
登場時「くうねるあそぶ。」のコピーと井上陽水のCM出演は話題となった。折りしも元号が昭和から平成に変わるタイミングで、CMで、走るセフィーロの助手席のパワーウインドゥを開けて「みなさん、お元気ですか」とやった陽水の台詞が途中から「口パク」に。なおCMに使われた楽曲「今夜、私に」は彼の楽曲ながらアルバムには収録されておらず、後に2001年発売のCDボックス「Re MASTER」の17枚目extra-2の6曲目に収録されている。
話がセフィーロから逸れてしまったが、クルマそのもののコンセプトは「美しさ・遊び心を大切にする知的なヤング・アダルトのためのスタイリッシュなパーソナルセダン」というもの。通常の4ドアセダンとは一線を画すしなやかなフォルム、機知に富んだ6ライトのデザインが特徴的だった。S13型『シルビア』ではオプション設定だった4灯プロジェクターヘッドランプを全車に標準採用し、さり気なく斬新さも表現していた。
「セフィーロコーディネーション」と呼ぶ、それまでのグレード展開とは概念の異なる、エンジン、サスペンション、装備・仕様の組み合わせの自由度を広げたバリエーション展開もユニークだった。
エンジン3機種(タウンライド:RB20E型、ツーリング:RB20DE型、クルージング:RB20DET型)、サスペンション3タイプ(標準:マルチリンク、コンフォート:DUET-SSスーパーソニックサスペンション、スポーツ:4輪操舵のHICAS-II)、さらに2色/3種類のシートファブリック、7色のボディカラーが用意されていた。
レスポンス 島崎七生人