毎秒7GBに速度アップでも温度上がらず! 新型SSD「Samsung 990 EVO Plus」を試して分かったこと
速度と発熱をベンチマークでチェック
今回は990 EVO Plusと990 EVO、それぞれ2TBモデルを用いて実際の性能をAMD/Intel環境で検証した。検証環境の前提として、最大のパフォーマンスを見るべくマザーボード上にある第1番のM.2スロット、つまりCPUに接続されたPCI Express 4.0 x4接続に対象SSDを搭載している。OSが入ったSSD(システム)は別途第2番のスロット(チップセット側に接続されているもの)に装着した。 まずはCrystalDiskMarkの結果だ。AMD Ryzen 5600Xを用いたシステムでは連続読み出し(1MB/Q8T1)が毎秒7.28GBと公称値通りだったが、同書き込みは毎秒5.7GBと、こちらは公称値に及ばなかった。 ランダムアクセスもQ1T1で読み出しが毎秒87.41MB、書き込みが毎秒243.28MBとまずまず速い。Intel Core i9-13900Kを用いたシステムでは連続読み出し(1MB/Q8T1)が毎秒7.09GB、同書き込みが毎秒5.8GBだった。ランダムアクセスはQ1T1で読み出しが毎秒95.69MB、書き込みが毎秒345.93MBとAMD Ryzenシステムよりも速かった。 では、990 EVOと比べて990 EVO Plusはどれだけ速くなっただろうか。Intel環境での比較となるが、CrystalDiskMarkで比較グラフを作成してみた。連続読み出しが毎秒5GB→毎秒7GBに高速化したのは大きいが、他も全項目で990 EVOを上回っている。あまり数値が大きくないランダムアクセスQ1T1でも読み出し/書き込みとも高速化しているところは目を引く。 以降については、Intel環境で検証していこう。実運用では連続アクセスだけ速ければよいというものでもなく、データサイズもさまざまだ。実際の用途において990 EVO、990 EVO Plusはどのくらいの転送速度が得られるだろうか。 3DMarkのStorageテストは実際のゲームのロード、ゲームの録画やインストール、保存、移動といったテスト項目で構成されている。実使用に近いベンチマークなので、例えば990 EVOから990 EVO Plusに乗り換えたとしてどのくらいの性能向上が見込めるのかイメージしやすいと思われる。 まず、スコアとしては990 EVO Plusが4229ポイント、990 EVOが3810ポイントだった。転送速度のグラフでは、全項目990 EVO Plusの方が高速という結果だが、990 EVOに対しておおむね10%前後の向上となる。連続アクセスの45%アップというインパクトよりは控えめだが、普段使いの実性能として1世代10%の向上は大きい。 引き続き3DMark Storageテストで計測できるアクセスタイムも比較しておこう。アクセスタイムは、ストレージがコマンドを受け取ってから実際にデータ転送を開始するまでの時間だ。990 EVO Plusは990 EVOよりもアクセスタイムが短縮、つまりレスポンスが速くなっている。 3DMark Storageテストの最後に温度推移をチェックしよう。990 EVOの頃から低消費電力がうたわれており、990 EVO Plusも受け継ぐ形で仕様上の消費電力値ではそれほど差がないように見えたが、実際に測定してみると990 EVO Plusは990 EVOよりもおおむね10度低いあたりの温度で推移しており、負荷がかかるとさらに差が広がる格好だった。 もちろん計測条件は統一している。同じM.2スロットを用いており、どちらもM.2 SSD向けにアフターパーツとして販売されているヒートシンクを装着し、どちらもケースファン1基をフロントファン想定の位置に設置した状態だ。消費電力が負荷時で0.5~0.7W差あるので同条件なら温度が抑えられるだろうことは予想できたが、ここまで大きい差になるとは驚いた。