【オリックス】V時回復6連勝 昨季の雪辱!曽谷龍平6回12K無失点 関西ダービー第1R完勝
<日本生命セ・パ交流戦:オリックス4-0阪神>◇11日◇京セラドーム大阪 オリックスが昨秋日本シリーズの再戦となった「日本生命セ・パ交流戦」の阪神3連戦初戦に完勝し、今季最長を更新する6連勝を飾った。先発の曽谷龍平投手(23)が6回12奪三振無失点の熱投を披露し、1年前の交流戦で6失点した虎打線にリベンジ。打線も難敵の阪神村上から4点を奪い、「関西ダービー」第1ラウンドを制した。チームはケガ人続出も影響して低迷していたが、交流戦は8勝5敗で3位に浮上。パ・リーグ3連覇中の王者がジワジワ浮上を続けている。 ◇ ◇ ◇ 曽谷が珍しく感情をむき出しにした。6回2死満塁でミエセスに投じたこの日100球目。内寄りのスライダーは甘かったが、気迫で勝った。見逃し三振。試合のヤマ場を乗り切り、冷静な左腕が何度もほえた。 「日本シリーズでやられてしまって、同じ思いはしたくなかった。もう全力で倒すつもりでいきました」 昨季敗れた日本シリーズに再現カードで初戦に快勝。入団2年目の“ドラ1”が「Kラッシュ」でチームを乗せた。 自己初の2桁となる12奪三振。4回1死から5者連続もマークした。7安打もすべて単打でリズムを渡さず。個人としても昨年交流戦は4回途中6失点で黒星。「一緒のことを絶対しない」と強い気持ちで関西ダービーに臨んでいた。 「今季は変化球がしっかり操れている。(打ち取れる)パターンが増えてる気がする」。最速151キロの直球に鋭いフォーク、スライダーのコンビネーションで虎打線を手玉に取った。エスピノーザと並ぶ4勝はチーム勝ち頭だ。 コツコツとした努力が今に生きている。出身の奈良で小1で野球を始め、チームにはコーチだった父博一さんがいた。4年生からは自宅近くの一般国道「いかるがパークウェイ」で片道400メートルの3往復ランニングを日課にした。最初は父と2歳上の兄と始め、そのうち同級生も自然と集まった。学校終わりの夕方から午後6時まで。雨でも休まなかった。基礎体力を養い、投手の土台を築いた。 投打がかみ合い、チームの連勝は今季最長を更新する「6」に伸びた。まだ5位だが最大9あった借金は3に減った。過去の優勝球団の最大借金は07年日本ハムの8。リーグ4連覇に向けた“デッドライン”を既に越えたが、交流戦で息を吹き返してきた。「(曽谷は)ゾーンでしっかり攻めてくれた。本当にナイスゲーム」と中嶋監督。宮城、山下、森、山崎、宇田川、平野佳、福田ら離脱者は多いが、王者の底力を発揮し始めた。【大池和幸】