引退会見した巨人・阿部慎之助に幻の阪神入り計画?!
巨人の阿部慎之助捕手(40)の引退会見が25日、都内のホテルで行われ、19年の現役生活にピリオドを打った。阿部は、前日に甲子園で行われた阪神戦で9回、代打で登場。阪神ファンの大声援を背に藤川球児と全球ストレートで対戦して三振に倒れた。 「みんな神妙だな。ありがとう!Tシャツも着てくれて」と、報道陣が全員背番号「10」のTシャツを着用しているのを認めると、そう礼を言って会見をスタートさせ、その冒頭で阪神ー巨人戦での代打について触れた。 「昨夜甲子園でジャイアンツファン、タイガースファンのみなさんの慎之助コールに本当に感動しました。ありがとうございます。粋なはからいをしていただいだ矢野監督、藤川選手に、この場を借りて御礼を申し上げます」 さらに誰との対戦がワクワクしたのか?の質問が飛ぶと、再び藤川の名前を挙げて阪神との伝統の一戦が特別だったことを強調した。 「たくさんいますが、藤川君は同世代。敵ですが、互いに切磋琢磨して、巨人ー阪神、阪神ー巨人戦を盛り上げてこれたんじゃないかなと思っている。阪神が強かったときのJFKとかあったけど、そのときの藤川君は凄いボールを投げていた。燃えるものがあった。だからこそ、あの甲子園で声援をいただけたんじゃないかなと思っている」 実は、阿部の父親と阪神の掛布雅之SEAは習志野高校の野球部の同級生。その関係があって、阿部は、幼い頃から、ずっと阪神ファンで、同じ左打者の掛布氏に憧れていたという経緯がある。 引退した今だからこそ明かされる衝撃的な秘話がある。前夜、試合後、阿部から直接、引退報告の電話を受けた掛布氏が明らかにした。 「安田学園高校を出るときに、すぐプロではなく大学へいったほうがいいという話をさせてもらったんです。大学なら逆指名もあるし、将来のことを考えると、大学で経験を積んで即戦力でプロに入った方がプラスだと。そして中央大学を出るとき、父親から“阪神が慎之助をドラフトで指名する気があるのなら行くよ。条件なんかどうでもいい。どうする?”という電話があったんです」 中央大では通算17本塁打を放ちシドニー五輪代表にも選ばれた阿部は、超大型捕手として2000年のドラフトの目玉になっていた。強肩、強打の即戦力の捕手は、どこも喉から手が出るほど欲しい存在だった。その中で掛布氏を通じて阪神に“逆ラブコール”があったのだ。