身近な生き物たちの知られざる生態。大阪市立自然史博物館で「ネコと見つける都市の自然」展
意識を集中すると生き物たちが見えてくる
タヌキ出没のニュースが、ときおり都市部で話題を呼ぶ。 「大阪市内でも千林商店街でタヌキが歩いていたという目撃報告があった他、長居公園や大阪城公園では現在も生息しています。しかし、一時期に比べ、生息数が減ったうえ、長居公園で生息が推定されるアライグマにすみかを奪われるかもしれません」(和田学芸員) 生存競争に終わりはない。身近な存在ながら接する機会が少ない都市の生き物たちと上手に付き合うには、どんな工夫をすればいいのだろうか。 「意識して生き物を観察してください。昆虫が苦手でも、鳥なら大丈夫という方もいらっしゃるでしょう。意識を集中すると、鳥の姿や巣を発見できるようになります。都市の自然は移ろいやすいため、継続して観察すると、これまで見かけなかった生き物が増えている事実に気づくことがある。どうしてそうなったのかを調べるうちに、生き物への関心が高まっていきます」(和田学芸員) 人間も都市の大きな生態系の一員だ。ゴギブリ体験を楽しむ子どもたちのように、生き物の視点から都市を見つめ直すのもいいかもしれない。 開館時間は午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)。休館日・月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)。観覧料は大人500円、高校生・大学生300円(中学生以下無料)。開催は10月13日まで。問い合わせは大阪市立自然史博物館(06・6697・6221)まで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)