ソラコム、2種類の「iSIM」を商用化--SIMの第3形状、「eSIMの次」
ソラコムは10月30日、次世代SIMテクノロジーの「iSIM」の商用提供を開始すると発表した。同日から2種類のiSIM搭載セルラー通信モジュールを提供する。 提供する製品詳細 提供するiSIM対応モジュールは、Quectel Wireless Solutionsの「BG773A-GL」と、村田製作所の「Type 1SC」の2種類。ともにグローバルに対応した通信プラン「plan01s」をプリインストールし、1枚のSIMとソラコムとの契約のみで、世界中のセルラーネットワークをシームレスに利用できる。 またこれらのモジュールは、SORACOMの「サブスクリプションコンテナ」機能を活用し、OTAでサブスクリプション「planX3」を追加可能。planX3は、LPWAN通信(LTE-M、NB-IoT)向けに最適化しているため、IoTデバイスの利用シーンに応じて柔軟に対応できる。従来の「SORACOM IoT SIM」同様に、IoTプラットフォームSORACOMの回線管理やデバイス管理、クラウド連携、データ収集など、IoTシステムの構築や運用をサポートするサービスも利用できるという。 加えて、iSIMの搭載の検討を支援すべく、iSIMモジュールを基板に実装せずにスムーズに評価、検証を進められる評価ボードキットも用意するとしている。 iSIM(Integrated SIM)は、従来は別々に存在していた通信モジュールとSIMの機能を1枚のチップ(SoC:System-on-Chip)に統合した技術。 データ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」に対応するカード型SIM、チップ型SIM(Embedded SIM、eSIM)に次ぐ第3の形状のSIMとなり、IoTデバイスの設計を簡素化し、小型・軽量化、省電力化が実現できる。通信モジュールとSIMがワンストップになることで、デバイスの製造から販売のライフサイクルにおいて、部品調達や物流、保管コストを削減、環境負荷の低減も期待できるという。 ソラコムはiSIMの商用化にあたり2021年7月から、セルラーIoT向けチップセットを開発するSony Semiconductor Israelと、セルラーIoTデバイスにセキュアな認証情報を提供する「Kigen セキュアiSIMオペレーティングシステム」の開発、供給元となるKigenと共同で、iSIMの商用利用を検証。IoTプラットフォームSORACOMを他種のSIM形状と同様に統合的に管理できるように進化させていたとしている。