【英国】英中部、高速鉄道の新設計画 HS2中止区間、輸送効率向上へ
英イングランド北西部の都市圏グレーター・マンチェスターとウエストミッドランズの首長らは、中部バーミンガムとマンチェスターを結ぶ新たな高速鉄道の計画を発表した。ロンドンとイングランド北部を結ぶ高速鉄道「ハイスピード2(HS2)」の計画のうち、中止された第2期区間に当たる。鉄道網全体での輸送効率向上や交通渋滞の解消を狙う。BBC電子版などが13日伝えた。 計画される区間は、HS2終点のスタッフォードシャーからマンチェスター空港西で建設予定のノーザン・パワーハウス鉄道に合流するまでの50キロ。完成すれば、ロンドンからマンチェスターまでの所要時間は、HS2の当初計画より約15分長くなるが、2時間以上かかる現在の鉄道網よりは少なくとも30分短縮される。 各自治体から委託を受けて調査した民間コンソーシアムは、HS2は第2区間がなければバーミンガム北部の輸送能力向上に寄与しないと結論付けた。報告書では「マンチェスターとバーミンガムの間で何もしないことは、経済的にも運用的にも良くない。HS2への国の投資も費用対効果が低くなる」と指摘している。 ロンドンとバーミンガムを結ぶHS2第1期区間の工事はすでに進められており、少なくとも225億ポンドが投入されている。第2期区間は2023年に中止されたが、すでに20億ポンド以上が費やされていた。新計画では、政府が買い上げた土地やインフラを活用することで、コストを抑えられるとしている。