NTTの技術で “光が創る未来” を提案「NTT R&D FORUM 2024 IOWN INTEGRAL」開催
日本電信電話(以下、NTT)は、注目の次世代情報通信基盤「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」の全体像と社会実装のユースケースを紹介する「NTT R&D FORUM 2024 IOWN INTEGRAL」を、11月25~29日にわたり、NTT武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市)にて開催する。本記事では先立って催されたメディア向け内覧会の様子を紹介する。 【写真】大阪・関西万博でも紹介される予定の「IOWN」構想
IOWNの構想について語られた基調講演
基調講演には、NTT執行役員 研究開発マーケティング本部 研究企画部門長の木下真吾氏が登壇し、IOWNの構想について説明した。 IOWNとは、「光電融合技術」と呼ばれる技術を活用した超低遅延の回線サービス構想のことで、データセンターやボード、チップなどつなぐ対象ごとにIOWN 1.0~4.0に分かれている。IOWN1.0~3.0は2030年までを目処に段階的に、IOWN4.0は2030年代に実用化を目指しており、その通り行けば、大容量・低遅延・低消費電力の革新的な通信が実現される。 木下氏は同イベントのサブタイトルに触れ「INTEGRALという言葉には不可欠という意味がある。IOWNが地球や人類にとってどんどん不可欠になっていくという願いを込めた」と語った。
注目展示をピックアップ
会場では、IOWNのユースケースに関する展示を、3ゾーンに分けて、合計122のパネル展示およびデモンストレーションにて行っていた。その中からいくつか注目の展示を紹介する。
3000km離れてもリアルタイムでじゃんけん
日本から約3000km離れた台湾にいる人とじゃんけん──IOWN構想の一つであるAPN(All-Photonics Network)を利用すれば本当の意味での“リアルタイム”な通信が可能だ。 APNとは光で端末同士を高速で直に接続するネットワークのことである。本展示では、日本と台湾に設置したカメラなどの端末を、両国間の海底ケーブルを介して光だけで接続してデモを行った。 ネットワーク上の複数の端末を介して間接的に接続するインターネットは、一般的に遅延時間が200ミリ秒(0.2秒)~500ミリ秒(0.5秒)あるとされるが(筆者参照の資料による)、デモンストレーションの遅延時間はそれより短い100ミリ秒(0.1秒)であるため、まるで相手が目の前にいると思うほど、時差による違和感なくじゃんけんができていた。