「胎動が少ない」不安を抱く中、緊急帝王切開をすると…医師「先天性ミオパチーだと思う」息子の病を知ったあと、前を向けた理由とは
夫婦の時間も大切に
富士くんのサポートに対する役割分担は、ゆりこさんは朝が弱いため朝の保育園の送迎はご主人。その代わりに夜のヘルパーさんが来るまでの間は、ゆりこさんが夜の準備と富士くんをみるようにしてご主人には先に寝てもらっているといいます。 また、夫婦のコミュニケーションで大切にしていることは「これは一般的な家庭も変わらないと思うのですが、何かしてもらったら感謝をし、申し訳ないことをしたら謝ることですかね」とゆりこさん。 「富士くんを短期入所に預けている間は夫婦の時間にして、2人でご飯に行ったりカラオケに行ったり一緒に料理をするなどと楽しむようにしています。日頃も、富士くんが早く寝たときには、軽い晩酌をして富士くんの話や仕事の話などの、たわいもない話をして過ごしています」 さらにご主人からの提案で、毎月夫婦で振り返りというものをやっています。 これは、医療的ケア児である子どもを育てる上でストレスがどのくらい溜まっているのか、富士くんを育てながらも自分がチャレンジしたいことは何かなどウェブサイトで答えられるような仕組みになっているもの。 ゆりこさんは「これがあることで、先月はこうだったから今月からはこうしようと生活を改善できるのでとてもいいなと思っています。朝担当が夫で、夜担当が私になってうまく生活がまわるようになったのも、この振り返りがあったおかげです」と話していました。
「2年間いろいろなことを乗り越えられたのは間違いなく夫がいたからです」
ゆりこさんはこの2年間を振り返り「2年間いろいろなことを乗り越えられたのは間違いなく夫がいたからです」とSNSに投稿していました。 それにはこうした思いがあったといいます。 「私は、富士の病気に対していろいろな気持ちを抱いていました。ポジティブに考えられるようになったのは在宅になって1年くらいで、それまでネガティブなことばかり考えていたんです。そんなときも私の気持ちを否定せずに受け入れてくれていたのが夫で、ずっと支えられてきました。きっと、夫もネガティブな気持ちを抱くこともあると思います。それを表に出すことはなく、私と富士を支えるためにきっとぐっとこらえてくれていたのでしょう。また、富士が呼吸状態が悪くなり緊急対応が必要になったとき、冷静に対応してくれたのも夫です。私は慌ててしまって冷静でいられなかったので、夫がいてくれて本当によかったなと思います」