急な寒暖差でシニアのワンちゃんネコちゃんも不調に…飼い主は心拍数でチェックできる【ワンニャンのSOS】
【ワンニャンのSOS】#87 今年の猛暑を引きずったのか東京は11月に入っても暑さが続いていましたが、ようやく涼しくなったと思ったら、週末は冬の寒さに冷え込むそうです。厳しい寒暖差で多くの人が体調を崩しています。 無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議 急激な気候変動は、特にシニアのワンちゃんやネコちゃんにはつらい。循環器系への負荷が強くかかり、急な血圧の上昇を引き起こしやすくなるのです。 ■自宅でできる聴診 ワンちゃんやネコちゃんの血圧は、ヒトより精度が落ちるものの測ることができます。それよりもよいのは、かかりつけの獣医師さんに聴診してもらうこと。そしてこれから冬にかけて、シニアのワンちゃんやネコちゃんを飼っている方は、ぜひこの聴診を自宅でやってほしいと思います。 ワンちゃんたちが落ち着いているときに、人さし指と中指、薬指をそろえてワンちゃんやネコちゃんの左胸に当てると、鼓動にふれるでしょう。その数を大体でよいので数えてみてください。 心拍数は小型犬で1分間に120~140回、呼吸数は1分間に20~30回です。中・大型犬の心拍数は小型犬より10~20回ほど、呼吸数は5~10回ほど少なくなります。 ネコちゃんはワンちゃんより速く、1分間に160~180回くらいです。 この目安を上回るようなら、かかりつけ医に診てもらうとよいでしょう。あまり深刻な様子で伝えると、超音波検査や心電図検査など次から次へと検査をされてしまうかもしれないので、「何となく脈が速い気がしますが、心臓の音はいかがですか?」と軽い感じで聴診してもらうとよいと思います。学生時代、師匠に「聴診の経験値が上がると、悪い音がすぐわかるようになる」と訓練されたものです。 もし雑音があって、薬を始めるかどうかは相談してください。それとは別に自宅でできることを紹介しましょう。 ひとつは飲水量のチェックです。気温が下がって水が冷たくなると、嫌って飲まなくなり、飲水量が減ることがあります。その場合、ぬるめのさゆにすると改善します。元の量に戻るだけなので尿の回数や尿の濃さのチェックも忘れずに。 一般にワンちゃんもネコちゃんも体重の3~5%が通常の飲水量で、これよりも多くなると代謝機能の低下が疑われます。冬は飲水量を確認しやすいので心掛けることをお勧めします。 もうひとつは寒さ対策について。寝床のカイロは不要です。かえって脱水の原因になります。暖房を強くするのもよくありません。タオルや布などでくるまっているだけでもワンちゃんたちは自分の体温で十分な暖をとれます。 散歩に連れていくときも厚着をさせることはありません。ヒトの感覚で寒くても、ワンちゃんの基礎体温はヒトより2~3度高いので、リードと胴輪で十分です。 (カーター動物病院・片岡重明院長)