「女性は守るべき存在」タリバンの女性抑圧政策を支える民意とは 民主化が失敗した理由は何か。これからどうなるのか【アフガン報告】6回続きの(4)
タリバン暫定政権、特に最高指導者をはじめとする強硬派に変化を促す方法はあるのか。カブール出身のイスラム教シーア派法学者ザカリヤ・マシュクールは、タリバンの偏った思想と実践を正すために、イスラム教発祥の地サウジアラビアの権威が必要だと指摘する。マシュクールは「サウジのイスラム法学者らが、タリバンの法解釈は誤っていると説明し続けるしかない」と訴える。軌道修正には政治ではなく、宗教的アプローチが欠かせないという主張だ。 タリバンが政策を変更する可能性はゼロではない。カンダハルに拠点を置くアクンザダら強硬派指導部と比べ、外交団や国際支援団体との接触が多いカブールでは閣僚の大半が女子教育再開を支持している。タリバンは国連とNGOに女性職員の出勤停止を命じたが、国連の交渉で保健医療分野は対象外となるなど、柔軟性も垣間見える。 国際NGO「ケア・インターナショナル」のアフガン事務所幹部レシュマ・アズミは「タリバンの多くが女性活躍の大切さを知っている。問題は指導部だ」と見抜く。「時間はかかると思うが、女性抑圧的な政策が変わることを待っている」[続く]