子どもの「イヤイヤ」を激しくさせている、親の“ある行動”って? 小児科医が教える効果的な声かけ
注意引きの困った行動編
【×(否定的)】 (1)ママがキッチンで料理中、子どもがオモチャを投げた (2)子どもに近づいて「ママの目を見て! 投げちゃダメでしょ!」と怒った表情で注意 →「オモチャを投げた→ママが注目してくれた」と子どもの脳にとってごほうびになり困った行動はなくならない 【〇(肯定的)】 (1)ママがキッチンで料理中、子どもがオモチャを投げた (2)子どものほうはあえて見ず、淡々と無表情で「オモチャは投げません」と伝える (3)子どもが投げるのをやめたら「やめられたね!」と目を見て注目するか、「お手伝いする?」と別の話題の声をかける →最後はうまく成功体験にしてしまうのが自己肯定感を下げない上手な叱り方! 「ママに甘えたい」という気持ちが注意引きの行動の理由なら、日常で子どもと目が合ったらニコッと笑う「アイコンタクト+笑顔」の習慣を強化。きょうだいが近くにいないタイミングにギュ~ッと抱きしめて「ママは〇〇(子どもの名前)が大好き!」と伝えてみて。注意引きの行動を減らせます。
〈著者プロフィール〉西村佑美
(発達専門小児科医/一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会 代表理事。日本大学医学部卒。小児科専門医。子どものこころ専門医。日本大学医学部附属板橋病院小児科研究医員。三児の母。最重度自閉症のきょうだい児として育ち、障害児家族に寄り添える仕事がしたいとの想いから医師を志す。2011年から日本大学医学部小児科医局に所属し、小児科医として大学病院に勤務。以降、のべ1万組以上の親子を診てきた。第一子出産後に発達障害についての専門性を深める中、自身の子にも発達特性があることが発覚。当事者家族として本格的な療育や知育、バイリンガル教育を行った経験を活かし、地方病院と大学病院で発達専門外来を新設する。しかし、医師という立場で育児の悩みに寄り添うことに限界を感じ、2020年「ママ友ドクターR」プロジェクトを始動。SNSでの情報発信や、主宰する「子ども発達相談アカデミーVARY」での活動等を通し、子育てに悩むママたちの支援を行ってきた。2024年、特性に対する新たな価値観と支援の場を社会に生み出すことを目的に、一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会を設立。