熊本県を訪れる外国人のきっかけに「ONE PIECE像」、伸び率トップは「ジンベエ像」の宇土市、欧米豪は複数の地点を周遊
ナビタイムジャパンは、訪日外国人観光客向けのナビアプリ「Japan Travel by NAVITIME」の利用状況から、漫画・アニメコンテンツによる訪日外国人観光客の誘客・周遊動態を分析した。 2019年度と2023年度の比較で外国人旅行者の滞在者数の増加率が最も高かったのは熊本県。その中でも、増加率の高かった市町村を見ると、2018年から2022年にかけて「ONE PIECE 麦わらの一味像」が設置された市町村が上位になったことがわかった。 この像は、2016年4月に発生した熊本地震の復興プロジェクト「ONE PIECE 熊本復興プロジェクト」の一環で設置されたもの。 2019年4月~2020年3月と2023年4月~2024年3月を比較して、最も増加率が高かったのは宇土市で7.33倍。滞在者数が多い熊本市、阿蘇市、南小国町を抑えてトップとなった。具体的な滞在場所を確認すると、2022年11月に設置された「ONE PIECE 麦わらの一味像」のジンベエ像が設置された住吉海岸公園での滞在が最も多いことがわかった。 熊本県内の市町村別の増加率ランキングと、「ONE PIECE 麦わらの一味像」の設置場所を重ねてみると、全10体の像が設置されている市町村で滞在者数の増加率が伸びていることもわかった。 市場別に見ると、東アジアは他市場と比較してもウソップ像(阿蘇市)が特に訪問率が高く、他の観光地に行くまでの立ち寄り地点として訪れていると分析している。また、東南アジアは熊本駅からも近いルフィ像への訪問率が高く、限られた旅行日数で立ち寄れる場所には積極的に立ち寄ろうとしている様子がうかがえるとしている。欧米豪は全体的に訪問率が高くなっており、また、訪問地点数の割合を見ても、他の市場に比べ、1箇所だけではなく複数箇所周遊しているという。 このほか、ONE PIECE像を訪問した訪日外国人旅行者を対象に熊本県内の滞在場所を見ると、熊本城、黒川温泉、阿蘇山などの人気観光地の他、駅前にフランキー像が設置されている高森駅からバスでアクセス可能な上色見熊野座神社やブルック像(御船町)の近くにある御船町恐竜博物館への滞在も見られた。
トラベルボイス編集部