虎のソナタ 「BERTH」「KAKEF」「OKADA」 パイロット使うアルファベット…虎党の上空にあり
(セ・リーグ、阪神1-1巨人=延長十回表無死降雨コールド、4回戦、巨人2勝1敗1分、16日、甲子園)本日4月17日は、かの有名な(?)バックスクリーン3連発の日。1985年のこの日、バースが、掛布が、岡田が、3者連続で甲子園のバックスクリーンに打ち込んだ。厳密に言えば、掛布は左側に飛び込んでいる。だから、翌日の新聞に「バックスクリーン3連発」の見出しはない。 【写真】阪神・植田海が球団最悪の屈辱寸前を救う「最悪、当たってくれればいいかなと思って」 語呂がいいから、後付けで誕生したフレーズだが、いまなお、語り継がれている。 1990年代後半だったと思う。「ニュースステーション」という超人気報道番組があった。そこに在阪スポーツ紙のデスクが出演。時、まさにタテジマ暗黒時代。 「阪神には、ことしこそ、バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発のようなシーンを見せてほしいです」 力説されたのだが、すかさずキャスターの久米宏さんが「もう10年以上前の話ですよ。阪神ファンってのは、いつまで、バース掛布岡田って言ってるんでしょうね。困りますねぇ」とピシャリ。 ジョークのつもりだったのだろうが、トラ番キャップの立場で見ていて、実に腹立たしく、悔しい思いをした。「たぶん、われわれは永遠に『バース掛布岡田』と言っているぞ」とつぶやきながら。 39年経過した令和6年も「ことしは39年前と同様に、4月17日の水曜日が、甲子園の巨人戦。あの年と一緒や」と大騒ぎしている。何年経っても「バース掛布岡田」なのだ。久米宏さん、阪神ファンのことを分かっていませんでしたね~と、再びつぶやいている私。こんな些細な話を執念深く覚えているのは、虎ソナぐらいだと思うけれど。 ところで、ウェイポイントを知ってますか? 空の上の地図みたいなもの。パイロットはウェイポイントを報告して、このルートを通りますよ、と周囲に知らせる。これで空中での事故は避けられている。 アルファベット5文字で示されるウェイポイントは、意外に面白い。北海道・利尻島の上空には「KONBU(昆布)」。和歌山上空には「MIKAN(みかん)」。その土地ゆかりのポイント名が存在する。 そして、神戸空港近くの瀬戸内海上空には「BERTH」「KAKEF」「OKADA」が。分かりますか? 発音してみてください。バース、掛布、岡田の名前をいただく地点が、関西に住む虎党の上空にはあるんです(バースは正確にはBass)。パイロットは操縦桿(かん)を握りながら「バースを通過して、掛布に向かいます」(たぶん、こんな感じの英語だと思う)と日常的に口にしているのだ。