キオクシアが東証プライムに12月18日上場、想定価格は1株1390円
(ブルームバーグ): キオクシアホールディングスが、東京証券取引所プライム市場に12月18日付で上場する。関東財務局に提出した訂正有価証券届出書で22日に開示した。上場時の想定時価総額は7500億円。
資料によると、想定価格は1株当たり1390円。仮条件は12月2日、公開価格は12月9日にそれぞれ決定する。売り出し人は米投資ファンドのベイン・キャピタルや東芝。
新規発行株式数は約2156万株で、国内と海外をあわせた売り出し株数は約5038万。国内のオーバーアロットメントは最大で約1079万株。ロックアップ(持ち株売却禁止期間)期間は2025年6月15日まで。
想定価格で試算した吸収金額は、約1150億円。生産能力増強や効率化に向けた設備投資などに充てる。
ジョイント・グローバル・コーディネーターは、米モルガン・スタンレー、野村証券、BofA証券が務め、国内のほかに欧州や米国など海外でも売り出す予定。
キオクシアHDはNAND型フラッシュメモリーの専業メーカーで、データセンターやパソコン、スマートフォン向けメモリーを生産する。足元では「第8世代」と呼ぶ最先端メモリーの量産準備を進める。
同社のIPOを巡っては、2020年にメモリーの市況悪化や新型コロナウイルス禍の影響で延期。今回も半導体株が調整局面に入ったことで、関係者によると当初の10月上場から遅れていた。
日本取引所グループの山道裕己最高経営責任者(CEO)は22日の定例会見で、「やっと上場承認がおりてわれわれも期待している」と発言。世界的に半導体関連企業に注目が集まる中で上場手続きの期間を短縮できる新しい手法を採用した案件でもあり、「ぜひ成功裏に行ってほしい」と述べた。
懸案だったIPOにめどをつけたものの、課題も残る。生産規模や積層化技術で韓国勢に後れをとっているほか、米ウエスタンデジタルとの経営統合に向けた協議は停滞している。
--取材協力:田村康剛.
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Yuki Furukawa