「食後すぐにお茶を飲まないほうがいい」ってホント?
お茶に含まれているタンニンは食べ物に入っている鉄分と結びついて、鉄分の吸収を妨げる要因になり得る。Stylist誌からの質問を受けた栄養士が最適な飲み方について教えてくれた。 【写真】話題のお店が選んだ、コーヒーをおいしく淹れるアイテム 朝のお目覚め時や午後に活を入れるために、食後の熱いお茶や紅茶をエネルギー源としている人は多いだろう。しかし、シャキッとするかと思いきや、この習慣は逆効果の可能性がある。実はお茶は鉄分を多く含んでいる食べ物との食べ合わせが悪いのだ。血や細胞の酸素化に必須のミネラルである鉄分の吸収を妨げてしまう。1月10日付けのStylist誌の記事でイギリス人の栄養士ニコラ・ラドラム=レインさんはそう説明した。
食事の前後1時間は避ける
同専門家によると、ポリフェノールを多量に含んだ紅茶や緑茶のタンニンは、食べ物の中にある鉄分と結びついて消化器内での吸収を妨害してしまう。もう少し詳しく説明すると、ポリフェノールは動物由来のヘム鉄(牛、豚、ラム、魚や魚介類)よりも、植物由来(豆、豆腐、かぼちゃの種、スピルリナ等)の非ヘム鉄とより結合する性質がある。貧血(鉄分不足)やフェリチン(鉄分のストックをするためのタンパク質)の基準値が低い人は紅茶の摂取には気を付けなければならない。 しかし、その影響を制限するためにと、お気に入りの飲み物を完全にやめなければならないわけではないとニコラ・ラドラム=レインさんは説明する。飲む時間を考えればいいのだ。「通常では鉄分を多く含んだ食事や鉄分のサプリを飲んだ後ならお茶を飲むまでに一時間待つことが推奨されています。同様に、紅茶を飲むなら食事の一時間前までが良いでしょう。時間をずらすことによってお茶のタンニンが食べ物に含まれている鉄分と干渉することを防ぐことができます。」 このアドバイスには確固たる根拠がある。同栄養士は、2004年にキングス・カレッジ・ロンドン大学栄養学科の研究チームが行った35もの調査をまとめたデータに基づいて発言している。この研究で分かったのは、鉄分が不足している人は、貧血のリスクが全くない人に比べて、食事中のお茶や紅茶の摂取の影響が大きいということだった。そのため、調査を行った研究者は、栄養素を最大限に体内に取り込むためには、貧血のある人は食事中のお茶を避け、食後も一時間待つ方がいいと結論付けたのだ。 覚書として、一日の必要な鉄分は成人男性で1mg、女性は月経があるので2mgだ。バランスの取れた食事であれば一日に10~15mgの鉄分が含まれているが、その内、体内に吸収されるのはたったの5~10%。この数字は性別、年齢や体の状態にもよる。そのため、鉄分不足のサイン(顔色の悪さ、疲れ、運動時の息切れ、頭痛、肌や髪の乾燥、爪が割れる)を見逃さず、医師などに相談し、血液検査や必要であれば補足の薬などを処方してもらおう。