NTT東西、最大800Gbpsのユーザー拠点間帯域保証型通信サービス「All-Photonics Connect powered by IOWN」を12月提供開始
東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)と西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)は18日、IOWN構想の実現に向けた商用サービスとして、通信ネットワークの全区間で光波長を専有するオールフォトニクスネットワーク(APN)の技術を用いて、高速・大容量の通信を可能とする新たなサービス「All-Photonics Connect powered by IOWN(以下、「All-Photonics Connect)」を、12月1日から順次提供開始すると発表した。サービスでは、ユーザー拠点間としては世界最高水準となる最大800Gbpsで接続する、Point to Point帯域保証・波長専有型回線を提供する。 【画像】新たな提供構成:回線の終端装置がNTT局舎内 NTTグループでは、未来のデータ社会の実現に向けて、フォトニクス(光)ベースの技術を活用し、従来のエレクトロニクス(電子)ベースの通信ネットワークと比較して、伝送容量を125倍、端末から端末までの遅延を200分の1、電力効率を100倍にするAPNの実現を目標に、さまざまな研究開発に取り組んでいると説明。 2023年3月よりサービスを提供開始したAPN IOWN1.0以降、eスポーツ分野・ライブ・エンターテインメント分野などでの大容量・低遅延を生かした演出や、データセンター間など離れた機器の間の緊密な連携への活用など、さまざまな技術検証・ユースケース実証に取り組んできたとしている。 さらに、高速・大容量の回線をより広く活用したいという市場ニーズに対応するため、APN IOWN1.0提供後の意見と、NTTグループの研究開発成果を踏まえ、顧客の利便性向上とさらなるユースケースを創出する観点から、NTT東日本とNTT西日本は、ユーザー拠点間の帯域保証型通信としては世界最高水準の最大800Gbpsの帯域対応と、提供インターフェイスとしてイーサネット(400GBASE-FR4/LR4など)への対応を実施し、新たにAll-Photonics Connectの提供を開始する。 All-Photonics Connectは、従来のAPN IOWN1.0の特長である、高速・大容量、低遅延・ゆらぎゼロに加え、最大800Gbps(帯域保証)の高速・大容量通信の提供、主要都市間の接続を実現する広域エリアでのサービス提供、提供構成/インターフェイスの拡充と低消費電力化を実現する。 インターフェイスは、APN IOWN1.0におけるOTU4のインターフェイスでの提供に加えて、100Gbps品目、400Gbps品目におけるイーサネットインターフェイス(100GBASE-LR4、400GBASE-FR4/LR4)へ対応。回線の終端装置をNTT局舎に設置することで、顧客拠点に設置する終端装置を不要にし、顧客拠点の省スペース化・低消費電力化(両拠点で最大940W削減)に貢献する。 All-Photonics Connectは、高速・大容量の特徴を生かした大容量データ通信や、低遅延の特徴を生かしたAPNの新たな利用シーンの創出に貢献すると説明。利用イメージとしては、データセンター間ネットワークでの利用や、通信キャリアなどのバックボーンネットワークでの利用、高精細映像伝送やリモートプロダクションなどの放送用途での利用、オンライン診療や遠隔手術など遠隔医療での利用を挙げている。 提供形態としては、APN IOWN1.0を含む高速広帯域アクセスサービスとして提供してきたタイプ1およびタイプ2に、新たにタイプ3およびタイプ4を追加し、APNサービス「All-Photonics Connect」として提供する。利用料金は個別見積もり。 NTT東西では、All-Photonics Connectは、増大するデータトラフィックに対応すべく、時代とともに高速・大容量化を図っていくと説明。加えて、高速・大容量の回線をより広く活用したいとの市場ニーズに応えるべく、順次提供エリアの拡大を図っていくとしている。また、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の夢洲会場においても、All-Photonics Connectを提供する。
クラウド Watch,三柳 英樹