桐蔭学園・藤原監督が申驥世主将を称賛「あんな最高な男はいない」熱血漢が下馬評低かったチームを変えた
◆全国高校ラグビー▽決勝 桐蔭学園40―17東海大大阪仰星(7日・花園) 桐蔭学園の熱血漢、申主将が2連覇に導いた。藤原監督が「あんな最高な男はいない」と評するキャプテンは、誰より体を張ってフィフティーンを鼓舞する。東京出身で5歳から始めたラグビーは、幼少時からタックルが大好き。両親の里帰りも兼ね、小学生の頃から1月3日は花園観戦が恒例。まさに申し子だった。 桐蔭学園で最上級生になると、藤原監督から「グラウンドで体を張れる、熱い思いを伝えられる」と主将に指名された。チームのまとめ方に悩めば、東京朝鮮高でコーチを務める父・ハンソルさん(47)と銭湯で1時間半語り合い「ただ厳しいだけでもダメ。人間には振り幅があった方がいい」と助言をもらった。仲間の前で漫才するひょうきんさもある。硬軟併せ持つリーダーとして先頭に立った。 卒業後は慶大に進む。受験のため塾に通い、この1年は5時間睡眠だった。受験対策で、ともに慶大OBのフッカー原田衛(BL東京)に話を聞いたり、フランカー山本凱(東京SG)に自ら連絡するなどして助言を受けた。成長の裏には、驚きの行動力もあった。 指揮官が「こいつが桐蔭の歴史をつくると思った」と言い切った逸材。申主将は「ラグビーも勉強もしっかりとやって、伝統あるクラブで引っ張っていける選手になりたい」と、頼もしく次なるステージを見据えた。(大谷 翔太)
報知新聞社