低線量被ばくの人体影響「科学的知見に関する論文が出始めていることを国に伝える」市議会一般質問で長崎市長
長崎放送
6月定例長崎市議会は18日から一般質問が始まり、国が定める被爆地域の外で原爆にあった被爆体験者を巡って質疑が行われました。 【写真を見る】低線量被ばくの人体影響「科学的知見に関する論文が出始めていることを国に伝える」市議会一般質問で長崎市長 被爆体験者をめぐっては、被爆地域の拡大を目的に長崎市が設置した研究会が10年半にわたる検討の末、低線量被ばくの人体影響について可能性には触れつつも「確固たる知見は見い出せなかった」との結論を今月、市長に報告しています。 これについて18日の市議会一般質問で池田議員は「この報告を市が厚労省に提出することは被爆体験者の救済に逆行する」と指摘しました。 市民クラブ 池田章子議員: 「報告書の厚労省提出は行うべきではないと考えますが、いかがですか?」 鈴木史朗長崎市長: 「10年半の議論の成果を問題解決の糸口にしたいという会長の思いも踏まえ、科学的知見に関する論文が出始めているということをしっかりと国に伝えることが、今後の被爆地域の拡大是正の突破口の一つになるものと考えております」 また池田議員は被爆未指定地域に降った雨や灰について国が被爆体験記を調査した結果、雨や飛散物に関する記述は「客観的事実として捉えられなかった」と公表したことを受けて抗議すべきと主張しました。 これに対し市の原爆被爆対策部長は「国に客観的資料となりうる資料の捜索範囲を拡大するよう働きかけたい」と述べるに留まりました。
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