来季ハースF1のベアマンが今季2勝目! 昇格組アントネッリはもらい事故。宮田莉朋13位|FIA F2モンツァ スプリントレース
モンツァ・サーキットを舞台に開催されているFIA F2の第11戦。8月31日(土)のスプリントレースでは、オリバー・ベアマン(プレマ)が優勝を果たした。ローディンの宮田莉朋は13位だった。 【リザルト】FIA F2モンツァ スプリントレース 予選が行なわれた前日に続いてこの日もサーキットは快晴。気温32度、路面温度48度という暑いコンディションの中、F2スプリントレースのスタートの時刻を迎えた。 ピットストップ義務のないF2スプリントレースでは上位10台がリバースグリッドとなる。そのため予選10番手となったエンツォ・フィッティパルディ(VAR)がポールポジションからスタート。アマウリー・コルディール(ハイテック)がフロントロウに並んだ。 この日の朝に来季メルセデスからのF1昇格が発表されたばかりのアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ)はグリッド降格ペナルティもあり15番手。チームメイトのベアマンも前戦のグリッド降格ペナルティで8番手スタートとなった。なお宮田は17番手からの出走となった。 21周のスプリントレースが幕を開けると、フィッティパルディがトップでターン1を抜けた。ただ、続くターン2で3番手スタートのペペ・マルティ(カンポス)がそれを交わしてトップに浮上した。 しかし、このターン1ではオリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ)とザック・オサリバン(ARTグランプリ)のクラッシュが発生。ウイリアムズから急遽F1昇格を果たしたフランコ・コラピントの後任としてF2デビュー戦を迎えたゲーテだったが、オープニングラップを周ることなくレースを終えた。 このクラッシュでアントネッリももらい事故。フロントウイングやタイヤの交換で隊列の最後尾まで沈むこととなった。 アクシデント発生により早くもセーフティカー出動となったが、レースは4周目から再開。マルティを先頭にレーシングスピードへと戻っていった。 首位を奪われたフィッティパルディはここが勝負どころとホームストレートでマルティに並びかけ、一時トップに立つもターン1で激しくタイヤをロックアップ……順位を落としてしまった。 これで再びマルティがトップに。その後ろではヴィクトー・マルタンス(ARTがグランプリ)とベアマンが激しく争ったが、レース5周目で勝負あり。来季ハースからのF1昇格が決まっているベアマンがマルタンスを抜き去り2番手に立った。 マルティはレース7周目のターン1で止まりきれずランオフエリアを通過し、ベアマンが労せず首位に立った。その後もベアマンは快調に飛ばし、マルティを交わしたマルタンスも2番手で安定して走行。3番手には、レース中盤の激しいバトルを制した10番手スタートのジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)が浮上した。 このレースをフロントロウからスタートしたフィッティパルディとマルティはその後ろ4~5番手。ゼイン・マローニ(ローディン)らも含めて、レース終盤までの鍔迫り合いを続けた。”接触上等”バトルの最中、マシンにダメージを負ったポール・アーロン(ハイテック)は後退を余儀なくされた。 先頭に目を戻すと、ベアマンは1.6秒のギャップを保ってトップチェッカー。シュピールベルグ戦に続き、今季2勝目を挙げた。 マルタンスはファイナルラップでファステストをマークするも2位。3位にデュルクセンが入った。なお4位争いを制したのはマルティだった。ただマルティは、冷却用のドライアイスが残っていた可能性があるとして、技術規定違反の疑いで審議対象となっている。 チャンピオンシップリーダーのアイザック・ハジャー(カンポス)は10位で、チームメイトのマルティと同じく審議対象に。予選でクラッシュを喫して最後尾スタートとなっていたランキング2番手のガブリエル・ボルトレト(インヴィクタ)は、怒涛の追い上げを見せて8位となった。 なお宮田は13位、アントネッリは18位でスプリントレースを終えた。
滑川 寛