なぜJ最年長出場記録を更新した52歳の三浦知良は引退したイチローへのメールを迷っているのか?
昨シーズンのカズは横浜FCが戦った公式戦45試合のうち、42試合でベンチ入りを果たした。天皇杯2試合ではともにゲームキャプテンとして先発し、カマタマーレ讃岐との2回戦で88分、延長戦で屈した横浜F・マリノスとの3回戦では72分間プレーしている。 コンディションを常に整え、シーズンを通してベンチ入りを勝ち取ってきた軌跡に、カズ自身も「ひとつの自信にしていきたい」と巻き返しへ向けての糧にすえていた。オフにはハードトレーニングで知られる、恒例のグアムでの自主トレを年末と年始の2度にわたって敢行している。 もっとも、昨シーズンから必ず年齢をひとつ重ねる。敵地へ帯同させながら、キックオフ直前にベンチ入りメンバーから外したV・ファーレン長崎との開幕戦。そして、モンテディオ山形に敗れた90分間をリザーブのまま見届けたホーム開幕戦におけるカズのコンディションを見て、指揮官も考え方を見直したのだろう。タヴァレス監督とのやり取りをカズが続ける。 「もちろん『先発させるかどうかはわからない』と言われたけど、監督の頭のなかではそう考えていると。なので、僕もそういう調整をしてきた」 身長190cm、体重88kgの巨体に、フットサルのノルウェー代表に選ばれた足元の技術を搭載する33歳のイバは、2016シーズンの加入から3年間で60ゴールをマーク。絶対的なエースとして君臨する一方で、相手チームの激しい接触プレーの標的にもなってきた。 今シーズンはまだコンディションが整わないため、リザーブとしてスタンバイさせ、岐阜戦のように流れを変える切り札として投入するパターンも十分に考えられる。その際に先発を託せる存在となる、濃厚な経験をもち、不断の努力も怠らないカズも今後の青写真をこう描く。 「特別なことになってしまうかもしれないけど、みんなと一緒に練習しながら、これからもアウェイゲームは飛ばして、しっかりとプログラミングされた練習で次に合わせていく。そうやっていけば、今日以上の時間に出られるようになると思う」 現役引退を電撃的に発表し、日米の野球界やファンに衝撃を与えたシアトル・マリナーズのイチロー外野手とはお互いにリスペクトし合い、競技の垣根を越えて20年来の親交を温めてきた。時期は入れ違いとなるが、ともに神戸を本拠地とするチームでプレーしたことも絆を深めるきっかけとなった。