ロームのGaN採用で効率92.62%に、100Wの急速充電器 デルタ電子
デルタ電子は2024年10月17日、「CEATEC 2024」(2024年10月15~18日、幕張メッセ)にて、高速充電対応のUSB-C充電器「Innergie(イナジー) C10 Duo」の日本での新発売に伴う説明会を開催した。同製品にはローム製のGaN(窒化ガリウム)デバイスを採用している。 ロームの山口雄平氏(左)とデルタ電子の華健豪氏(右)[クリックで拡大]
100Wの高出力、電力効率は90%超
Innergie C10 Duoは、デルタグループのコンシューマー向け電力ソリューションブランドであるInnergieの「One For All」シリーズにおける最新フラグシップ製品だ。100Wの高出力で、性能テストでは「MacBook Pro M2」を充電切れの状態から30分で50%まで充電できたという。デュアルポート式で、両方のポートを使用する際には接続したデバイスに応じて電力配分を最適化する。 ロームのGaNデバイス「EcoGaN」の採用と周辺回路の見直し、部品の小型化により90%超の電力効率を実現し、既存品に比べて37%小型化したという。デルタ電子が日本で発売する製品には今後もローム製品を積極的に採用する計画だ。 デルタ電子日本法人 社長の華健豪氏は「現在、スマートフォンやPCを購入するとそれぞれに充電器が付属してくるが、これはエコではない。将来的にはデバイスは本体のみで販売され、充電器は標準化されていくと考えている。1台であらゆるデバイスを充電できるInnergie C10 Duoはそうした需要に向けた製品だ」と述べた。 デルタグループとロームは2022年、電源システム用パワーデバイスの戦略的パートナーシップを締結し、以来技術交流を行ってきた。Innergie C10 Duoの製品パッケージにもロームとEcoGaNのロゴ入りステッカーが貼られ、ロームとの共創を前面に押し出している。 説明会に登壇したローム LSI事業本部 電源・標準LSI事業担当 パワーステージ商品開発部 部長 山口雄平氏は「ロームとデルタグループは企業としてのビジョンやカルチャーが非常に似ていて、だからこそ協業が実現している。GaNはまだ性能が最大化されていない材料なので、デルタグループのようなパートナーと切磋琢磨して普及させていきたい」と語った。 Innergie C10 Duoは2024年12月中旬にEコマースで発売予定。価格は9000円前後だという。
EE Times Japan