<The追跡>アマゾンのメールを入手 出品者が語る“値下げ強要”の実態は【WBS】
通販サイト「アマゾン」が出品者に値下げを強要した疑いがある問題で、テレビ東京はアマゾンが出品者に送ったメールを入手しました。一体、どんな価格交渉が行われていたのでしょうか。 「価格交渉になってないですね。アマゾンに異議申し立てする機会は全然ない」 こう語ったのは通販サイト「アマゾン」に家電などを出品する企業のバイヤーの鈴木さん(仮名)。今年に入り突然アマゾンでの売り上げが下がったといいます。 「今までアマゾンで『カートボックス』を取って売り上げてきたが、急に売り上げが落ちた時期があった。『なにか仕様の変更があったか』とアマゾン側に聞いたら『他のECモールの値段も見るようになった』と連絡があった」(鈴木さん) 他の通販サイトに同じ商品がより安い価格で出品されていたことを理由に、アマゾンによって商品の表示方法を不利な形に変更されたというのです。一体何が起きているのでしょうか。 公正取引委員会は27日、出品者に対しサイト上で有利な表示をする条件として、出品価格の引き下げを強要したなどとして、アマゾンジャパンを立ち入り検査しました。アマゾンへの立ち入りは2016年、2018年に続き3度目です。
問題となっているのは、先ほど出品者の鈴木さんが語った「カートボックス」という仕組みです。通常商品ページを開くと、右側に「カートに入れる」などの表示があり、こちらから購入手続きに進みます。 しかし、楽天市場など他の通販サイトでより安価な出品がある商品では、この表示がどこにもありません。 「『カートボックス』を取る、取らないで言うと売り上げは10分の1かそれ以下ぐらいになる。アマゾンは圧倒的な販売力と集客力があるので、時には高圧的というか優越的な立場で振る舞っているなと思うときはある」(鈴木さん) アマゾンはこうした「カートボックス」の仕組みを通して、出品者に価格の引き下げを強いていた疑いがあるのです。