「イトウとナカムラは抜きん出ていた」森保ジャパンの“W杯予選無双”トルシエが本音で評価「アジア杯と全然違う。おそらく史上最高世代だ」
「ベンチの奥行き」こそ日本の強さだ
――結果に関してはそうです。アウェイで連勝しましたし、2位グループとも大きな差がつきました。 「予選突破はほぼ保証された」 ――最速だと3月のバーレーン戦勝利で突破が決まります。 「たしかな自信を感じたし、連動も素晴らしかった。アジアカップとの最も大きな違いは自信があるかないかだった。選手のクオリティは極めて高く、ほぼ全員がヨーロッパでプレーしている。それも主要なリーグに所属しながら。 監督の仕事はチームの規格から戦い方の骨格を作ることだが、それも複数のシステムを採用することで達成された。ベンチに座る選手の陣容も充実している。フランス流に言えば『ベンチに奥行きがある』わけだ。彼らはスタメンとしてピッチに立てる力のある選手で、ほぼ18人が今の日本代表を構成している。『ベンチの奥行き』が日本の強さで、グループは着実に拡大して質を上げた。 そのうえ自信が加わった。それはここまでの結果から得たもので、日本はすでに80%突破を決めた。その自信と余裕があるからリスクを冒せるし、奔放なテクニックも発揮できる」
ナカムラとイトウは抜きん出ていた
――選手やスタッフの連帯意識も高いです。 「この連帯意識は、日本社会に起因するものでもある。日本国民のなかに深く浸透しているものだ。それが戦術の進化を導いた」 ――というと? 「チーム全員が力を合わせてボールを奪いに行く。また日本の守備は単に組織的に守るだけではない。相手のプレスをはねのけることでもある。プレスをはねのけて、ボールを保持することで相手に攻撃をさせない。 中国戦の日本は自信に溢れていた。初戦で7-0の勝利を収めたのだから当然で、この試合でも積極的にボールを奪いアグレッシブだった。チームはとても攻撃的で、両サイドの伊東純也と中村敬斗は――スタッド・ランスで活躍しているのと同じように――抜きん出ていた。サイドは日本の長所のひとつだ。 力関係で日本が60%の優位を保っていたから、監督はボールを支配してゲームをコントロールするやり方を採用できた。その際の守備システムは相手のプレスに即座に対処することだ。中国はほとんど何もできず、日本は中国に攻撃する隙を与えなかった。日本相手に得点するとしたら、セットプレーか日本のミスを待つしかない」 ――とはいえ日本の失点は、中盤で遠藤航がボールを奪えずに、中国にカウンターアタックを許したために失ったものでした。 「遠藤のミスとまではいえないが、インターセプトに失敗して中国にカウンターアタックの機会を与えた。その点に関しては修正が必要だ」
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