「採用活動しても応募なし」観光急回復の沖縄にバスガイドがいない! スマホの自動音声で観光案内… 深刻な人手不足も「できるところは省力化」の好機?
「まもなくアメリカンビレッジへ到着いたします。サンセットが良く映える沖縄のなかにアメリカの文化をうまく取り入れた街…」 【写真を見る】「採用活動しても応募なし」観光急回復の沖縄にバスガイドがいない! スマホの自動音声で観光案内… 深刻な人手不足も「できるところは省力化」の好機? 満員の観光バス車内に響く、ガイドの声。どこか乾いています。実はこれ、乗客のスマートフォンから聞こえる「自動音声」です。 県内でオプショナルツアーなどを販売する企業が去年から始めた、新たなサービス。乗客が自身のスマートフォンでQRコードを読み込むと、GPSと連動して案内ポイントを通過する際に、自動で音声ガイドが流れる仕組みで、日本語を含む8言語に対応しています。 導入の背景にはコストの削減に加えて深刻なバスガイド不足があります。 ▽旅行会社「セルリアンブルー」東江優 取締役営業部長 「(人材の確保は)難しいですね。観光業に対するイメージが…すごく良い仕事だと思うんですけど、なかなかそれが伝わってない現状なのかなと思いますね」 ー求人を出しても来ない? 「来ないですね」 県内では、コロナ禍収束後の急速な経済活動の回復で、人手不足が深刻さを増しています。 経済調査を手掛ける海邦総研が今年9月に県内企業を対象に行った調査によると、企業の74.9%が「人手不足」だと回答し、理由は「採用活動をしても応募がない」が60.3%と最も多くなりました。 ▽海邦総研 地域経済調査部 瀬川孫秀 次長 「コロナ禍で多くの企業が人を減らしてきたという状況があります。今年になって特に本格的に需要が回復し、溢れる需要がある中で人手を確保できず、深刻な状況にある」 調査では、人手不足により生じている影響について「従業員の業務量過多」が55.2%で最多に。「売上機会の損失(51.4%)」、「従業員の残業増加(29.3%)」が続きました。海邦総研によると今後も人手不足は続く見通しです。 「人口の動向はすでに減少段階に入っていますし、高齢化が進んでいます。それを考慮すると抜本的な人手不足の解消は難しいと思う。そこでDXやITの導入で省力化をはかっていくことは今後、当たり前になってくる」