【海外】小排気量向けで初、可変エアインテークで全域モリモリ! 新システムをSYMのDRG BTに搭載
SYMが誇るスポーツスクーター「DRG BT」がビッグチェンジを敢行した。トピックは、エンジンに初導入された電子制御式の可変エアインテークだ。小排気量車ではレアなシステムで、2パターンの吸気モードを実現。低速および高速域のパワーを両立し、力強い走りと燃費も両立するという。 【画像】SYM DRG BTのディテールをギャラリーで見る(13枚) 文/Webikeプラス 沼尾宏明
電子制御でエアパイプを可変、高回転域で10%パワー増!
世界のバイク市場でトップ10に入るシェアを獲得している台湾メーカーのSYM。スポーティさやコスパ優秀なスクーターが主に支持されている。 中でも「DRG BT」は同社きってのスポーツスクーター。2023年秋のミラノショーに展示された最新型が、いよいよ正式発表され、詳細が明らかになった。 DRG=ドラゴンを表すルックスは一段と過激さを増し、収納スペースの拡大など快適性をアップ。見どころは多数あるが、特筆すべきはSYMが新開発した可変エアインテークシステム「Hyper-SVIS」だろう。 このシステムは、ECUがエンジン回転数とスロットル開度信号(TPS)を検出し、一定の基準値に達すると電磁バルブがエアボックス内の可動吸気パイプをスライド。低速および高速向けに異なる吸気モードを実現し、高トルクとハイパワー、好燃費を兼ね備える。 ヤマハが小排気量スクーターに可変バルブのVVAを採用しているが、「Hyper-SVISはより効果的」という。実際、低速域の馬力は6%増、高回転域では10%もアップ。最高出力に関しては、従来型の14.8Pに対して16psに向上、最大トルクは1.49→1.54kg-mに増強されている。 可変エアインテークは、ヤマハが世界で初めて2006年型YZF-R6に搭載し、2007年型YZF-R1などにも搭載されていた。このYCC-I(ヤマハ電子制御インテーク)は、エンジン回転数やスロットル開度に応じてファンネル長をロング/ショートに切替えるもの。SYMのHyper-SVISはよりシンプルな機構だが、原理としては同様だ。 また、現行モデルではNinja ZX-10RR(カワサキ)などが可動吸気ファンネルのVAIを採用。総じてビッグバイク向けのシステムで、小排気量車向けとしては世界初と言えるだろう。