なぜ八村塁はNBA挑戦1年目から成功しているのか?
26日のナゲッツ戦では、「ディフェンスがいつもと違った。僕らのやりにくいバスケをさせられた」と本人が話すように得意のミドルシュートが決まらず7得点。攻守においてリズムを掴み切れないまま終わった試合だった。 場所をフェニックスに移したサンズ戦の八村の得点は前日よりも低い6得点だった。しかし内容はずっと良かった。特に体を張った積極的なディフェンスが光った。開始早々ルビオのドライビングレイアップをブロックし、第2Q終盤には速攻でゴールに突進しシュートに臨んだルビオの行く手を阻み、オフェンスファウルを取らせた。これが3つ目のファウルとなったルビオはベンチへ下がる羽目になった。 「相手のトッププレーヤーをしっかりディフェンスで、あんな風にファウルを与えたりしてチームに流れを持っていけたら」との言葉通り、目立たぬ活躍ながらチームの勝利に貢献した。 実は同日の朝、ウィザーズのスコット・ブルックスHCから喝を入れられていた。「(ナゲッツ戦の)ディフェンスで悪い部分が多かった」と八村。「ビデオを見てすごく反省して。そこで切り替えて臨むことができた」と前日のミスを教訓として巻き返した試合について話し、ブルックスHCも「彼には勝者のDNAが流れている。得点することばかりを気にするのではなく勝利を気にする。そういう選手だ」と八村の選手としての意識を称賛した。 そして迎えたレイカーズ戦では開始30秒でジェームズ相手にステップバック・ジャンプシュートを決め、その約20秒後にジェームズがチームメイトに出したパスをスティールして速攻でレイアップシュート、またジェームズ相手にフックショットを決めるなどスタートから積極的に攻めて、4試合ぶりの二桁得点となる16得点、8リバウンド。続くクリッパーズ戦では、チームは連敗を喫したものの、自己最多の30得点、9リバウンドをマークした。 自らが手本とする選手の一人であるレナードともマッチアップし、「彼を相手にどんなプレーができるかがわかって良かった」と手応えを感じた様子。一方のレナードは八村について「基礎ができていて、すべてが揃っている。これからもっと試合を経験し、ディフェンダーの合間を縫ってシュートするスポットを見つけることができるようになれば、あとは向上していくだけだ」と話した。 さらにジョージは「彼は才能というレベルでジャ・モラントやザイオン・ウィリアムソン、RJバレットらと並んで今後長くこのリーグでプレーしていくベストプレーヤーの一人だと思う」と、今年のドラフト1-3位指名に並ぶトップクラスとの感想を口にした。