成長できていない? レンタル先で苦しむJリーグの逸材たち。世代別日本代表も大苦戦? 怪我に泣く選手も
FW:棚田遼(たなだ・りょう)
生年月日:2003年6月19日 保有元クラブ:サンフレッチェ広島 レンタル先クラブ:いわきFC(J2) 今季リーグ戦成績:10試合0ゴール0アシスト サンフレッチェ広島の下部組織からキャリアをスタートさせた棚田遼。現在21歳のFWは、2021年に17歳の時点でトップチームに2種登録された。 すると同年5月、YBCルヴァンカップのグループリーグ、横浜F・マリノス戦でいきなり先発プロデビューを果たした。ゴールこそなかったものの、この試合では60分までピッチで奮闘した。 2022年には正式にトップチーム昇格を果たしたが、そのまま順風満帆とはいかなかった。2022シーズンからの2年間、棚田がJ1リーグで出場した試合数は「5」。スタメンに名を連ねたゲームに限れば、2023年7月16日に行われた横浜FC戦のみである。 今年2月、同選手はレンタルでいわきFCに加入した。新天地でも苦戦が続いており、FWを主戦場としながら10試合に出場してゴールをあげられていない。出場時間が短いというディスアドバンテージはあるものの、どうにかネットを揺らしたいところだ。 しかしポジティブな点もあり、それは明確に出番を増やしていることである。加入から4か月はベンチにも入れない日々が続いていたが、6月16日に行われたJ2第20節・ヴァンフォーレ甲府戦でベンチ入りすると、そこからはチャンスを得るようになり、10試合出場はすべてそれ以降に記録したものだ。 つまりそれ以来行われた16試合のうち10試合ではピッチに立っていることになり、そう考えると前向きな見方ができるのではないだろうか。それゆえに、早くゴールが欲しい。
MF:名願斗哉(みょうがん・とうや)
生年月日:2004年6月29日 保有元クラブ:川崎フロンターレ レンタル先クラブ:ベガルタ仙台(J2) 今季リーグ戦成績:16試合0ゴール0アシスト 2023年から川崎フロンターレに所属する名願斗哉は、現在J2のベガルタ仙台で戦っている。同年に履正社高校からJリーグの強豪に加入した左サイドのアタッカーは、今年2月にレンタルで森山佳郎監督率いるチームに加入した。 川崎の選手層の厚さも相まって、2023シーズンの名願は出場機会をほとんど得られなかった。同年3月8日に行われたYBCルヴァンカップ・グループステージ第1節(対清水エスパルス)、7月12日の天皇杯3回戦(対水戸ホーリーホック)、12月12日のAFCチャンピオンズリーグ・グループリーグ第6節(対蔚山現代)でピッチに立ったが、それ以外の公式戦では出番がなかった。 主戦場をJ2に移してからも、やや厳しい状況が続いている。リーグ戦出場16試合のうち先発起用は2回のみで、ベンチにいないこともしばしば。懸念すべきは、直近になるほどスカッドに入れないケースが増えていることだ。7月14日の徳島ヴォルティス戦以降、リーグ戦でベンチに座った試合は2つだけである。 しかし試合でクオリティを示せていないかというと必ずしもそうではなく、たとえば6月8日のヴァンフォーレ甲府戦では途中出場から違いを見せている。可能性のあるドリブル突破を試み、データサイト『Sofascore』によれば94%のパス成功率を記録し、チャンスメイクにも貢献した。 何人ものタレントを輩出した川崎が目をかけた選手である。20歳という年齢を考えても、ここから挽回することは十分に可能だろう。
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