2試合で68得点を挙げたBRUINSの伊藤騎士「悔いはないけど課題はたくさん」…日本一の夢は高校へ持ち越し
中学生活最後の大会は2回戦敗退で幕を閉じた。しかし、2試合で積みあげた自身の得点は「68」。BRUINS(岐阜県)が誇るスコアラーは確かな爪痕を残しJr.ウインターカップを後にした。 1月5日の『京王 Jr.ウインターカップ2024-25 2024年度第5回全国U15バスケットボール選手権大会』の男子2回戦、BRUINSは仙台89ERS U15に最終スコア63-72で敗戦。8-25と大きく出遅れた第1クォーターが悔やまれる結果となった。 チームのエースを担うのは伊藤騎士(3年)。鹿屋市立田崎中学校(鹿児島県)との初戦では両チーム最多となる36得点を稼いでチームを勝利へ導いた。だが、2回戦では試合開始から果敢にシュートを放つも、ことごとくリングに嫌われた。 この試合の初得点は、第1クォーター残り4秒で訪れたフリースローの場面。同クォーターで放った7本のフィールドゴールが全く決まらなったときは「メンタル的にもやられました」という伊藤だが、第2クォーター以降は「今までのことを忘れよう」と気持ちを切り替え、本来の姿を取り戻した。 巧みなボールハンドリング、一歩目で相手を抜き去るスピードと緩急、そしてシュート力。視野の広さを生かしたアシストも冴えわたった。仙台U15に勝利することはできなかったが、伊藤は32得点5アシストをマーク。「まだまだ満足していないですが、ドライブは結構通用したと思っています」と今大会を振り返った。 「自分だけで点数を取るのではなく、ドライブをして相手が寄ってきた時は味方にアシストできることも武器です」。伊藤は自身の強みをそう口にする。 「やっぱり一番はシュート力。ハンドリングもあって視野もすごく広いので、その3つが特に優れています」と話した佐藤翔一ヘッドコーチは、伊藤の内面についても太鼓判を押す。 「バスケットに対してすごくまっすぐな子で、 私生活でも心・技・体がそろったいい子ですね。本当に真面目で素直ですし、試合では我々の予想以上のプレーをしてくれますので、高校でも楽しみな選手になると思っています」 中学生活最後の試合を終え、「悔いは全然残ってないですけど、自分の課題がたくさん見つかりました。これからしっかりとその部分を克服してさらに成長したいと思います」と伊藤。具体的には「全国のレベルでは、みんな体が強くて足も速かったです。自分はまだまだ足りないと感じたので、これからは体を大きくしたりもっとスピードを上げたりできるよう頑張りたいと思います」と課題を挙げ、さらなる飛躍を誓った。 173センチの伊藤が憧れるのは、自分と同じ身長で日本人4人目のNBAプレーヤーになった河村勇輝(メンフィス・グリズリーズ)だ。その理由を問うと、「自分はまだまだですけど、河村選手のように何事にもハードワークする選手が大好きだからです」と返ってきた。 「大きい選手をどう倒していくのかを考えることも大切だと学びました」。中学3年間を振り返りそう述べた伊藤は、次のステージで再び日本一を目指す。高校でも卓越したスキルとスピード、そしてシュート力を武器に輝きを放ち、伊藤騎士の名を轟かせてくれるはずだ。 文=小沼克年
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