習近平政権の「歴史的な住宅市場救済策」が空振り…ついに最終局面を迎える中国不動産価格崩壊の「深刻な実態」
価格下落はさらに加速
その一方、6月17日、国家統計局が5月中の国内不動産価格変動に関する一連の統計数字を発表した。それによると、全国70都市の新規分譲住宅の価格指数は前月比では0.7%減となり、連続12カ月の落ちである。しかも、5月の落ち幅が4月よりも0.1%も拡大しているという。 つまり、本格的な不動産救済策が打ち出された中では、5月の全国主要都市の住宅価格が上がるところか、むしろ以前よりも早いスピートで落ちている。 そして6月になっても住宅の販売状況が依然として芳しくない。実は6月10日は中国伝統の「端午節」であって、土日の8日、9日と合わせて三連休となっていた。中国の場合、普通、三連休ともなれば住宅の販売成績上昇が大いに期待されているが、今年の「端午節連休」はまさに期待外れとなった。6月13日、中国指数研究院が発表した数字では、この端午節連休では、全国の代表的な30都市の新規分譲住宅の販売面積はやはり、昨年端午節連休のそれよりは16%減であるという。 ここまできたら、中国政府が5月に打ち出した乾坤一擲の不動産救済策はまさに空振りとなってほぼ完全に失敗に終わったとは言えよう。しかしここまでやってもほとんど効果がないから、中国の不動産市場の起死回生になる「妙薬」はもはやない。おそらく中国政府も今後、それ以上の救済策を打ち出すことはない。不動産市場崩壊の加速化はもう止まらない。中国経済はこれで、最終局面を迎えようとしているのである。
石 平(評論家)