「虎に翼」が示す 憲法の魅力とは? 憲法学者 木村草太さん解説
背景にある差別問題
――4月5日にXに書かれた「ラストシーン。橋の上にしばし佇んでから、それぞれの道を歩み始める様々な年代の女性。主人公だけでなくて、みなさん、何かしら思うところがありつつ、それぞれの選択を積み重ねているのでしょうね」。これはどんなお気持ちから? 実在の人物をモデルにした一代記では、主人公のストーリーに合わせて、周囲の人々が都合よく描かれてしまう面があるのは仕方ないかもしれません。ただ、やはり、ちょっとモヤモヤしたりします。 そんな中、歴史上は名前も残らないであろう人々が、悲しんだり、悩んだり、それでもなんとかかんとか進み続けたおかげで、今につながっている、ということが、随所に表現されていて、純粋に、素敵だと思いました。 逆に、市民が行政機関に自分たちの声を届けたのに、それをないがしろにしている場面を見ると、怒りを覚えることがあります。 沖縄の基地問題ですとか、最近では、離婚後の共同親権を巡って、別居親の執拗な嫌がらせにおびえる人々の声が無視されたのは、衝撃を受けました。あれだけの切実な声を無視してしまう背景には、差別問題があるのではないかと考えています。
聞き手・まとめ 佐藤 和雄・ジャーナリスト