グアムに勝利しアジアカップ本選の出場権を獲得も、バスケ男子日本代表の吉井裕鷹は後悔の連続「悔しい部分しか残らない試合でした」
「伶音も出場させてあげられませんでした」
11月24日、バスケットボール男子日本代表(FIBAランキング21位)は『アジアカップ2025予選Window2』でグアム代表(同80位)に83-78で勝利し、来年8月に行われるアジアカップ本選の出場権を獲得した。 ただ、スコアが示すように、日本は格下相手に苦戦を強いられた。ディフェンスが機能し、外角シュートに当たりが出たことで、日本は第3クォーター終了時点で15点をリードしたが、最終クォーターに猛追を許した。軽率なミスが増え、アウトサイドシュートが決まらずにオフェンスが失速すると、ホームの大声援に後押しされたグアムに次々と得点を許し、残り3分に同点に追いつかれた。それでも、ジョシュ・ホーキンソンと西田優大の活躍により9-1のランで突き放したことで接戦を制した。 チームハイの21得点を挙げた西田は「シュートは水ものだし、入る時もあれば入らない時もある」と言いつつも、両チーム最多となる6本の3ポイントシュートを54.5%という高確率で沈めた。また、今回の直前合宿には緊急参戦となったものの、モンゴル戦(7本の3ポイントシュート成功で21得点)に続いての好パフォーマンスを見せ「準備してきたことが出せたので、ずっと準備をしてきて良かった」と振り返った。 「疲れました」と漏らした吉井裕鷹は両チーム通じて最長となる35分50秒間コートに立ち続けた。4本の3ポイントシュートを含む17得点に加え、8アシスト2スティール1ブロックと攻守に奮闘したが、接戦に持ち込まれたことを悔やんだ。「グアムのことはリスペクトしていますが、スカウティングをした状態でこのような試合をしてはいけないと思います。20点開いた時に30点、40点と開けられず、悔しい部分しか残らない試合でした」 吉井が言及したように、20点前後のリードを保てず逆に追い詰められたことは大きな課題だ。隙を見せたことで反逆のきっかけを与え、ホームの空気感を作られてしまった。また、最年少の18歳でロスター入りした渡邉伶音に出場機会は訪れなかったが、大量リードを保っていれば代表デビューの可能性もあった。吉井は言う。 「最後の最後にアウェーの雰囲気を作らせてしまったのは僕たち(のせい)だったと思う。 実際にあそこでもっと点差を開けていれば、ああいう雰囲気にもならなかったし、伶音も出場させてあげられませんでした。悔しいです」 このWindowでの代表引退を示唆している比江島慎は「反省点はあるんですけど、しっかり勝ち切れて良かった」と、アジアカップ本選の出場権を獲得した結果に目を向けた。それでも、今後は対戦国のレベルもさらに上がるため、内容も含めた結果が求められる。
丸山素行