まもなくマツダ「ロードスター」に“金色が映える”アニバーサリー仕様が登場へ! 開発責任者が語る“ロードスターの未来”にも注目です
開発責任者が「ロードスター」の未来に関するヒントを示唆
突然ですが、世界で最も生産された「ふたり乗り小型オープンスポーツカー」はどのクルマかご存じでしょうか? 【画像】「えっ!…」ロードスターの「35周年記念車」は金色が映える斬新カラーを採用か!?(25枚)
それはマツダの「ロードスター」です。「ユーノス・ロードスター」として1989年にデビューし、現在も後継モデルが販売され続けているモデルです。2000年5月、その記録がギネスに認定された際の数字は53万1890台でしたが、今では累計120万台以上を生産。世界中に多くのファンが存在します。 ファンが多いだけに、オーナーたちが集う「オーナーズミーティング」も各地で頻繁に開催されています。なかでも、いまや恒例のイベントとなり、最大級のミーティングとなっているのが、毎年5月に長野県の軽井沢で開催される「軽井沢ミーティング」です。 オーナーズクラブが主催するイベントではあるものの、マツダも全面的に協力し、開発関係者などが広島から現地入り。トークショーなどを通じてファンとの交流を深めています。また、開発者が参加者の車両をチェックし、後の商品開発の参考にもするケースもあるといわれています。 そんな「軽井沢ミーティング」は、何を隠そう、後に発売される「ロードスター」の新モデルをお披露目する場のひとつでもあったりします。実際、過去の「軽井沢ミーティング」では、特別仕様車などが初公開されました。 「ロードスター」の発売35周年となる2024年は、「35周年記念車」のお披露目がおこなわれるかも……と筆者も期待していたのですが、残念ながらそれはなし。 しかし、トークショーにおいて、現在の開発主査(開発責任者)である斎藤茂樹氏から「ロードスター」の未来に関するいくつかのヒントが提示されましたので、ここからはその中身についてチェックしてみましょう。 ●モータースポーツベース車にACCが設定される? 2023年末におこなわれたND型「ロードスター」大幅改良のトピックのひとつが、MRCC(マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール)と呼ばれるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の設定です。 同機能は、高速道路において前方の車両をとらえ、その車両と一定の車間距離を開けながらドライバーに代わって速度をコントロール。ドライバーがアクセルを操作する必要がないので、高速道路での移動が楽で疲れにくいというメリットがあります。 そんなACCは、現在のところモータースポーツベース車である「ロードスターNR-A」には設定されていません。しかし「遠くのサーキットまで自走で出かけるNR-AにこそACCが必要」という市場からのニーズに応え、「次の改良時に設定する」と斎藤主査は明言しました。 ●ND型「ロードスター」はいつまで販売される? 現行のND型「ロードスター」が発売されたのが2015年5月ですから、すでに9年が経過しています。一般的には、今すぐモデルチェンジして新型へとバトンタッチしてもおかしくないタイミングです。 歴代「ロードスター」の中で最も長くつくられたのは先代のNC型でしたが、それでも約10年間でした。そろそろ次の世代の姿が見えてきてもおかしくないタイミングですが、斎藤主査は「まだしばらくはNDを続けます」と明言しました。 法規制など社会的理由に対し、「もうND型では基準に適合するのは無理」というところまでは、フルモデルチェンジすることなくND型を引っ張るようです。 何を隠そう、2023年に「ロードスター」に施された改良は、見た目の変化は少ないものの、電子プラットフォームの刷新を始め見えない部分にかなりの予算を投じた大掛かりなものでした。 つまり、改良されたばかりの最新の「ロードスター」を販売し、その開発に投じた開発費用を回収する必要があるため、「しばらくはフルモデルチェンジしない」という考えになったのでしょう。 その一方、参加者からの「『ロードスター』40周年もND型で迎えるのでしょうか?」という質問に対しては、「5年後ですから、それは微妙ですね」と応える斎藤主査。さすがに5年後には、次世代型モデルへバトンタッチしているのかもしれません。 ●「35周年記念車」は台数限定での販売となるのか? 今回の軽井沢ミーティングではお披露目こそなかった「35周年記念車」ですが、斎藤主査によると「出ます!」とのこと。 内容に関しては「秘密です」と、思いのほかガードが堅かったのですが、「今回は台数限定ではなく、期間限定なので欲しい人全員に届くようにします」と明言していました。 “レーシングオレンジ”という特別なボディカラーをまとい、2019年に販売された「30周年記念車」は、世界3000台、国内150台の限定生産だったので、「35周年記念車」はそれとは違うということでしょう。 気になる内容に関しては、「素晴らしいロードスターが出来上がっていて、近々報告できる」(斎藤主査)そうですが、これまでの記念車と同様、特別なカラーリングが施される可能性が高そうです。 今回の「軽井沢ミーティング」では、それに対するヒントがふたつ提示されました。 かつて「ロードスター」の主査を務め、現在はマツダのデザイン本部長に就く中山雅氏は、「ボディにサインを入れるなら、金色のペンがいい」と、金色が映えるボディカラーであること示唆しました。 また、マツダ商品本部の杉本氏は、「これまで長く『ロードスター』を愛してくれた人が、手に取りたくなるような、ちょっと懐かしさも感じるような仕様です」と話しています。 * * * 果たして、どんな仕様になるのか興味が尽きない「ロードスター 35周年記念車」ですが、実は「軽井沢ミーティング」の前日、マツダのアイルランド法人がSNSにアップした初代「ロードスター」の写真が、ちょっとした話題を集めています。 それは、日本では「ユーノス・ロードスター」の「Sリミテッド」として販売された特別仕様車のもので、ブリリアントブラックのボディカラーに赤い本革シートをコーディネート。足元には“金色”のアルミホイールを組み合わせた仕様でした。 金色の映えるボディカラーとは、この黒×赤のコーディネートなのでしょうか? それとも、単なる偶然なのでしょうか? いずれにせよ、まもなく公開されるであろう「35周年記念車」に期待です。
工藤貴宏