薬師寺の管主が講演 三蔵法師の遺骨 来日80年/埼玉県
西遊記で知られる三蔵法師の遺骨がさいたま市にあるのをご存じでしょうか。遺骨が日本にわたって80年になることを記念した講演会が4日、市内で開かれました。 4日は市民およそ600人が参加し、奈良県にある薬師寺の加藤朝胤管主が講演しました。 三蔵法師こと玄奘三蔵は天竺への長旅を終え、中国に帰国しました。 死後、遺骨はしばらくの間、行方が分からなくなっていましたが、第二次世界大戦中の1942年に旧日本軍が偶然、南京で発見。一部が東京に持ち帰られましたが、空襲の戦火を逃れるため、今の岩槻区にある慈恩寺に安置されました。 その後、1981年には、慈恩寺から薬師寺に分骨されています。 玄奘三蔵は天竺から「唯識」という思想を持ち帰りました。「唯識」とは、「この世にあるすべてのものは、心が創り出したものである」という考え方です。加藤管主は、「人間は本来、怠惰なもの。そうならないように常に心に種をまくこと、自分ができることを続けることが最も大切」と伝えていました。