ラブソングは間接的かつカジュアルに? いしわたり淳治が感じた時代の変化、キッチンのCMソングから考える
ネガティブさよりもポップさが前に出るネーミング
12月4日放送のテレビ東京『あちこちオードリー』でのこと。ネルソンズの青山フォール勝ちさんが大部屋の楽屋の真ん中でこれみよがしに突然ドラマの台本を読んでいるという話になり、「“ドラマ決まってんの?”とか聴いて欲しいんやろ?」と相席スタートの山添寛さんが嫌らしく尋ねた。続けて、会うなり急に、“とうとうネルシャツ買っちまったわ……”とも言われたという話に。「今まで無地ばっかりだったけど、この度、ネルシャツを買ったから、“え、なんでネルシャツ買ったの?”って、聞いて欲しいんやろ?」と言った。するとネルソンズの和田まんじゅうさんが、追い打ちをかけるように青山さんを指さして「こいつ、タイトルめっちゃ言うんすよ。“ああ、(とんねるずの)タカさんとの絡みムジい……”とか!」と言った。誰に話しかけるでもなく、楽屋のソファで、遠い目をして独り言のようにつぶやくのだという。まるで「どうした? 何かあった?」と言われるのを待つように。 こういうのは、いわゆる“かまってちゃん”のタイプに多い言動だと思うけれど、この行動に「タイトルを言う人」とネーミングするのは、ネガティブさよりもポップさの方が前に出てくる感じがして、素敵だなと思った。 余談だけれど、「タイトルをつけるのが苦手なんですよ」と話すミュージシャンに時々出会う。そういう人はもしかしたら、青山さんのようなタイトルを言うタイプの人と一緒にしばらく行動してみるといいかもしれない。気になるタイトルの付け方の極意が学べたりして。
言葉を覚えたら
12月4日放送のABCテレビ『これ余談なんですけど・・・』でのこと。ゲストの清水ミチコさんが自身の芸能界デビューのいきさつについて話していた。きっかけは清水さんがライブハウスでライブをしていたのをたまたま永六輔さんが見つけて、テレビ関係の人を紹介してくれて、下積みなしで『笑っていいとも!』のレギュラーなどがどんどん決まっていったのだそう。「その頃はもっと早く芸能界に入ればよかったなと思うくらいに順調」だったそうで、かまいたちの山内健司さんが「そこから一回も落ちることなく?」と聞くと、そんなことはないと言い首を振った。「『夢で逢えたら』が始まって、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、野沢直子さんとかと共演したら、“やっぱプロは違うんだ”って思って。女で、ピンで、モノマネをしてる、っていうのは珍しかったからチヤホヤされただけで、プロの中でしゃべってるとアドリブも利かないし、よく噛(か)むし。噛むっていう言葉もその時、初めて知ったわけ。で、“噛む”って言葉を覚えたら、急に噛み始めて。余計に」と笑った。 最近、小学四年の息子が「中二病」という言葉を覚えたようで、それ以来、何かにつけて「中二病かよ」「中二病みたいなこと言ってる」みたいなことを言うようになった。それはそれで成長を感じるのと同時に、その言葉を覚えたことで息子に中二病が始まるんじゃないかと内心で身構えている。「眠い」だの「ダルい」だの「疲れた」だの、面倒くさそうに口に出しては、やたらとアピールするようになってきた。ああ、嵐はすぐそこまで来ているのかもしれない。