今さら聞けない、パソコンの「CPU」と「GPU」って何がどう違うの?
つまり重い処理でなければ、CPU単体でも「CPU」と「内蔵GPU」の組み合わせで処理できると言えます。この内蔵型GPU(APU)は、一般的な事務作業やネット閲覧などには十分です。一方で、高度なグラフィック処理には専用のGPU(グラボ)が必要となりがちです。 もっとも、最近ではこの内蔵型GPUの性能も向上。たとえばAMDの最新APUであるRyzen 8000Gシリーズの上位モデルであるRyzen 7 8700Gは、従来のエントリークラスの独立GPUに匹敵する性能を持つと言われています。具体的には、NVIDIAのGeForce GTX 1650に近い性能を持っているとのこと。これは数年前までの中級ゲーミングPCのグラボ相当です。
CPUとGPUのアーキテクチャの違いは?
もう少し詳しく、CPUとGPUの違いを見ていきましょう。まずは「アーキテクチャ」の違いです。分かりやすく要点を言えば「少数精鋭のコア」で成り立つのがCPUで、「数千個のコア」で成り立つのがGPUです。 CPUは少数の高性能コア(通常は数個から十数個)を持ち、先にも述べた通り逐次的な処理に優れています。「頭脳」として申し分ない性能がある反面で、大量のデータを並列処理するには不向きです。その理由は、簡単に言えばコア数がGPUに比べて少ないためです。 これに対し、GPUは数千個のコアを持ち、並列処理が得意です。このため、GPUは同時に多くの計算を行うことができ、特にグラフィックスやAIのトレーニングなどでその能力が発揮されます。 ■CPUとGPUの利用するメモリの違いは? このほかにも、CPUとGPUには利用するメモリの違いもあります。CPUはRAM(ランダムアクセスメモリ)を使用してデータを処理しますが、GPUはVRAM(ビデオRAM)を使用します。VRAMは画像データの高速な読み書きが可能であり、大量の画像情報を扱う際に最適化されています。この違いにより、GPUは高解像度の画像や動画をスムーズに処理することができます。