23歳で突然のがん宣告、子供産めない体に 元アイドルが伝えたいワクチンへの理解 #令和の子
HPVワクチンを知っていれば…大きな後悔
子宮頸がんはHPVの感染が主な原因ですが、予防するためのワクチンがあります。厚労省によると、HPVにはいくつか型がありますが、現在では「HPVワクチン」接種により8~9割も子宮頸がんを予防できるといわれています。ワクチンの存在を知ってはいたものの、”自分には関係ない”と思い接種しませんでした。しかし、がんになってから、夏目さんのHPVの型はワクチンを打っていれば予防できた可能性があったと医師から聞きました。 「今思ったら、ちゃんと知っておきたかったし、後悔しています。23歳で知るのでは遅かったんですよ、私は」 子宮頸がんの研究を行う大阪大学病院の上田豊医師は、日本はワクチンの理解が進んでおらず子宮頸がんに関して危機的な状況にあるといいます。 (上田豊医師)「HPVワクチンを早期に導入された国々では、子宮頸がんの患者数が減ってきているというデータも出始めてます。日本ではまだ、逆に頸がんがまだ増えているという、すごく残念な状況です」
ワクチンは「安全」と報告も 増え続ける子宮頸がん
その理由は2013年に定期接種が始まった直後、「副反応」を訴える声があり接種の呼びかけが約10年間控えられていたからだといいます。現在は、安全性が報告されましたがその影響は今も大きく残っています。 (上田豊医師)「本来だったら(ワクチン接種で)子宮頸がんで命を落とさなくて済んだ4000人~5000人とか、そういう数の人が(今後)子宮頸がんで命を落とすということが予想されています。」 現在、夏目さんの症状は落ち着き、2019年から東京都荒川区の議員として、子宮頸がんやワクチンについて認知度や接種率をあげようと活動しています。
「子どもたちに伝えたい」 進まない教育現場の理解
学校現場でもワクチンに関する教育や理解はまだ進んでいません。夏目さんは、学校の講演などで教育を進めようとしても「教育委員会」によって許可が出ない場合があるといいます。しかし、夏目さんのように辛い思いをする人を1人でも減らすため活動を続けるつもりです。 「知ることで命が守れるなら、本当にめっちゃいいことじゃないですか。自分は知らなくて子供が産めなくなったり、死んでいた可能性もあるので、接種世代の子たちに将来、検診とワクチンを受けてもらえるように伝えていきたいなと思います。」 (※この記事は、MBSニュースとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。)