ヘルメット用エアバッグに、電子制御機能のサブスク化!? 「バイク安全技術の最先端」
モーターショーというと、その場で初公開されるニューモデルなど「車両」に目がいきがちだが、サプライヤー企業やアフターマーケット用品メーカーなどの出展も多く、革新的なテクノロジーを公開する場でもある。 特に例年秋にイタリア・ミラノで開催される「EICMA」は世界最大級の二輪モーターショーだが、車両メーカー、パーツメーカーが販売店と取引する「商談の場」という側面も強い。 そして、サプライヤー企業にとっては車両メーカーに自社の新技術を売り込む格好の機会なのだ。 というわけで、当記事では「EICMA2023」で見た、すぐにでも市販化されそうなものから、未来のバイクの在り方を変えるものまで、バイクの安全性・快適性にかかわるテクノロジーを紹介していこう。 【画像8点】ヘルメットをすっぽり覆うエアバッグ、アゴを保護するエアバッグ……を写真で解説
Aotoliv(オートリブ)「スウェーデンの企業で、車体装着式エアバッグやヘルメット用エアバッグなどを展示」
スウェーデンのストックホルムを拠点として、クルマやバイクの安全装置を開発、世界中に送り出してきたメーカー「Aotoliv」(オートリブ)。創業は1953年と歴史があり、日本にも茨城県つくば市に開発センターを持ち、欧米はもちろんのこと中国やアセアン諸国、南米、アフリカにも拠点を構えるグローバル企業である。 そんなオートリブのブースには、バイク用エアバッグが展示されていた。ダイネーゼやアルパインスターズなどがすでに実用化しているが、オートリブでもライダーが着用するエアバッグを開発しており、スマートフォンと連携することで事故発生時に救急への連絡、オートリブ社へのデータフィードバックを行うコネクティビティシステムを開発中だ。 さらにユニークなのが、バイク=車体やヘルメットに装着するエアバッグだ。フルフェイスの帽体をすっぽりと包み込むように展開するエアバッグのほか、オープンフェイス(ジェット)ヘルメットの安全性を高めるためチンガード部分にのみエアバッグが開くものが展示されていた。これらはイタリアのヘルメットメーカー「AIROH」(アイロー)とともに共同開発中とのこと。 ホンダがゴールドウイングに採用している車体に装着するエアバッグ、クルマのフロントウインドに装着するエアバッグなど、衝撃吸収のためのエアバッグを多岐にわたって研究開発中。実用化に期待したいシステムだ。