20歳で起業、「待てばオトクに買えるECサイト」をつくった理由は?リスポ代表 黍田龍平さんインタビュー
余計なプライドを捨ててから成長が加速した
──ここからは一問一答形式でお聞きします。何時に仕事をはじめて、何時に終えますか? 9時に出社し、金融市場のチェックからはじめます。 コアタイムは9時から18時で、メーカー・小売業者さんのビジネスタイムに合わせています。 コアタイム以外は、体力が尽きたらその日は終わりといった感じです。なので、夜に予定があっても22時までに済めば、またオフィスに戻って仕事をすることもありますね。 ──愛用の仕事道具は? カードケースとレゴブロックです。 このカードケースは、自分の生きる方向性を決定づけた友人からもらった大切なものなので、常に持ち歩いています。 レゴの人形はいつもオフィスのデスクに置いています。僕は週末になると六本木のレゴストアに行って、ひとりで黙々とつくるのが好きなんですが。お店にいる子どもたちが僕がつくったものを見て、両親に「これほしい!」って言うんです。でも、なかなか買ってもらえないシーンを目にすることも。 僕は、そういう幸せな消費が気兼ねなくできる社会にしていきたい。日本には約1,000兆円の預貯金があると言われていますが、そのうち1%でも経済活動に引き出すことができれば、もっと経済は活発になると思います。その1%を引き出したいという志を伝えるために、新入社員にもプレゼントしています。 ──情報収集はどのように行っていますか? ビジネス系のメディアをチェックすることと、先輩方や株主の方と定期的に会って情報収集しています。 また、誰かに僕の考えを聞いてもらって、コメントをいただくことも重要な情報収集。自分自身がメディアになるような気持ちで、発信し続けることを心がけています。 ──能力を伸ばすには? ビジネス力を伸ばすには? 余計なプライドを捨てることが結構大事だと思っています。 自分を賢く見せようと思ってわかったふりをしない。とはいえ、僕も最初は「わからない」と言えませんでした。特に株主に対してはなおさらです。 素直に聞ける勇気は後発的に身につけましたが、能力を伸ばすのには一番効果的だったと思います。 ──尊敬する人は? STORES株式会社 取締役 VP of People Experienceの佐俣奈緒子さんです。 PayPalなどで働いたのち、コイニー株式会社を創業し、2018年にコイニーとストアーズ・ドット・ジェーピー社を経営統合、ヘイ株式会社(現:STORES 株式会社)を創業した方なのですが、こんな僕に対しても親身になって話してくださる。 誰に対しても平等に接する姿勢や、アクシデントが起きても常に物事を俯瞰して、構造的に考える姿勢にインスピレーションを受けています。 また、ほかにもバスケットボールプレイヤーの富永啓生選手とYOASOBIの幾田りらさんが大好きなのですが、お2人とも自分と同い年。 今でこそスーパースターの彼らですが、不遇の時代を乗り越えてきた過去があります。心が折れそうな時は、そんなお2人のドキュメンタリーや本から、勇気をもらっています。 ──食生活で気をつけていることはありますか。好物は? スシローのエビチーズが大好きで、それを食べたいがためにスシローに通っているほどです。 人間が1日に思考できる時間は決まっているので、無駄な思考を減らすためにもルーティン化し、「エビチーズ7貫を食べる」とルールを決めています。 ──これだけは絶対にやらないと決めていることはありますか。 否定から入らないこと。 たとえば経営側と現場では見ているものが違います。経営者は現場のことは60%くらいしかわからない。でも現場の人は120%知っています。僕に見えていないことに気づくためにも、否定をせずに対話することに気をつけています。 ──ビジネスパーソンにおすすめの一冊は? 1つは『星の王子さま』。「大切なものは目に見えない」という言葉はまさに物事の本質だと思います。 もう1つは松下幸之助の『道をひらく』。「お客さまがいて、従業員あっての会社だ」という話は当たり前のことなのかもしれませんが、忘れないために何度も読み返しています。 ──最後に、座右の銘をお聞かせください。 「やらない後悔よりやる後悔」 超絶行動ベース型なので、失敗の数はおそらく日本一という自負があります(笑)。 黍田龍平(きびた・りゅうへい) 株式会社リスポ 代表取締役社長。2001年、鹿児島県生まれ。元々、金融業界で働いていた父と銀行員の母という家庭で、経済や金融の話題が飛び交う幼少時代を過ごした。高校生で教育系の学生団体を立ち上げ、大学入学前にギャップイヤーでフィリピンへ。帰国後、事業を2つ立ち上げたのち、2021年5月「リスポ」を創業。 Source: Respo(リスポ)
島田ゆかり